Marcelo Bielsa Post Match Press Conference – Leeds United vs Aston Villa

多くのチャンスがあったが最後のところでのパスの正確性を欠いた

非常に厳しいサウサンプトン戦からの連勝を狙ったアストンヴィラ戦。終始試合の主導権を握りながらも決定機を作れず0-1で敗戦した試合について「パス、クロス、ボックス内全てにおいてパスの正確性に欠けていた」と評した。
また、「本来は引き分けが妥当な結果だったが、誰が勝者になるべきかと言われればリーズだ」ともコメントしており、この試合の結果に関して珍しく悔しさを直接的に表現した。
Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)

今夜はあなたのチームからは印象的なパフォーマンスがありませんでした。なぜ今日はトップギアにあげられなかったのでしょうか?

試合の中では、我々は相手チームよりも良いプレーをしたと思っている。我々は大半の時間を支配し、支配される時間も極めて少なかった。前半は相手が得点をしたが、我々は相手よりも多くのチャンスを作った。

あのゴールは意図したものではなかった。シュートを打った選手がスリップしてボールを要求していない選手へのパスになった。
一般的には前半は我々は与えられたチャンスを活かすべきだった、しかし我々は後半のように前半はうまく守ることができなかった。
後半は我々は非常によく守備ができた。後半の大半でボールを握っていたが、(相手にとって)危険なシーンを作れなかった。

常に相手のペナルティボックスで攻撃を終えていた。カウンターアタックは仕掛けていない。我々は相手のファイナルサードでボールを失ってしまっていた。全てのワイドからの中央へクロス、パスが不正確だった。多くの機会があったセットプレーでは相手のバランスを崩すことができなかった。

まとめるならば、我々が負けるに値しない試合だっただろう。引き分けというのが妥当な結果だと思っている。そして勝者を決めるならばそれは我々だったと思う。

あなたの意見には同意で、支配率が高いことで前半に6度のゴールチャンスがあり、それはチャンスの数としては良い数だった。後半には完全に支配をしたが、1度しかゴールチャンスを作れなかった。

エウデル・コスタが久々の先発でしたが、彼についてどう思いますか?彼のパフォーマンスには喜んでいますか?

攻撃において相手のバランスを崩すことは非常に難しかった。彼は前半の攻撃には完璧に絡んでいた。後半の最初の15分に我々は相手を危機に陥れるのが難しかったので、ハリソンを入れることにした。

後半に相手が強固な守備をしたことをどのように捉えていますか?

二つの考え方で答えたい。私がアストンヴィラの守備を評価しなければならないのであれば、彼らはよくやったということだ。しかし私は我々の攻撃の仕方を検証したい。我々、たくさん、たくさん、たくさん攻撃を仕掛け、それはポジティブなことだだが、ただ我々はファイナルサードでボールを失った。

ファイナルサードでボールを捨てるということは、ファイナルサードでの正確なパスが必要だということだ。ペナルティのサイドからであろうが、外側であろうが、中であろうが関係ない。それは相手チームが我々の最終パスをよく守ったとも言い換えられるだろう。もしくは最後のパスにおいて創造性と正確性が欠けていたとも言えるだろう。

私たちはハーフタイムであなたが変更を加えると考えていましたが、そのつもりはありましたか?

ない。

ハリソンを先発から外した理由はなんですか?なぜこの試合で彼をスターティングメンバーから外そうと思われたのでしょうか?

いや、サウサンプトン戦の後半でのエウデル(コスタ)が彼をスタートから使うことが良いと私に思わせただけだ。

(アストンヴィラGK)エミ・マルティネスと試合前会話されていましたが、どんな言葉をかけたのでしょうか?

ただ挨拶をしただけた。同郷だから。

次節のウェストハム戦まで9日あります。怪我をしている選手が戻ってくるということはありますか?

この先9日間について話すということは少々リスクがあるだろう。

チームにとってプレミアリーグで一貫性を保っていくというのはどれほど大事なことでしょうか?

私は我々の全ての試合を分析している。今日は連勝するためには素晴らしく良い機会だった。我々は負けるに値しない試合をしたのだから。 大事なことはきっちりと試合に勝つことだ。試合に勝たなければ勝利を積み上げることはできない。我々の連勝を妨げるものは我々が今日やってしまったこと、ということそだと説明したい。

次の試合まで長い時間があります、9日です、ここ数週間多くの仕事量をこなした選手たちにとってはどのようにこの時間を使うのが最良でしょうか?

多くの目的がある。怪我から回復している選手をチームに戻したい。イライラしているような選手であればそのことを解決しなければならない。概して言えば、この9日間でチームは少々の休みを取ることになるだろう。

ヴィラの左サイドバック、マット・ターゲットが警告後にもピッチに立ち続けられたことはラッキーだったからだと思いますか?

君が言ったことにコメントするということは、審判のパフォーマンスについて私が評価をしなければならないといことなので、これ以上首を突っ込みたくはない。

アストンヴィラの2人のセンターハーフですが、どんな印象を受けましたか?そして彼らはリーズの「ファイナルサードでの難局」にどれだけ貢献していたのでしょうか?

既にこの質問には答えている。私がアストンヴィラに責任を持っているのであれば、彼らは非常によく守った。しかし今日起こったことについてリーズの監督という立場から言えば、対戦相手のことではなく自チームの長所を見極めるのが当然のことだ。これまで行ってきたように、我々には最後のところでのパスが足りなかった。最後のところで相手を崩す想像力に欠けていた。.ペナルティエリア内にクロスを入れるべきところでの正確性に欠けていた。通常の場合、私自身は試合で起きた特定の事柄について語ることは好きでない。特にそれらが相手の長所であるなら尚更だ。明確なのは、彼らが後半はよく守ったということだ

J1 League Match Review 2021.2.27 浦和レッズ vs FC東京

積み上げと再構築と

やっぱりJ1開幕がやってくるとワクワクしてしまう。
キックオフ前にはテレビの前に陣取って、両チームのメンバーを見て今季はどんなサッカーをするのかと想像する。
欲を言えばビールがあれば尚ワクワク感に花を添えてくれるのだけど、嫁の目を気にして回避。

FC東京は昨年までの積み上げでリーグ制覇を狙うシーズン。
堅牢な守備と縦に速い攻撃を特徴に、どうやって浦和ゴールを陥れいるのか。

一方の浦和はチーム再構築のシーズン。
徳島をJ1に昇格させたロドリゲス監督の下、コロナ禍もあるだろうけど、外国人選手に頼らず日本人選手だけで新たなチーム像を作っていく。
コロナの影響もあり例年以上に各チームのキャンプ情報が少ない中、特にレッズがどうトランスフォームをするのかの情報は少なかった。
どんな新しいチームになるのか。

FC東京の開幕戦としては申し分のない相手。
楽しい気持ちでキックオフのホイッスルの音を聞いた。

浦和レッズ - インテンシティとタフネスと野心と

試合が15分を経過した段階で(極めて個人的かつ生まれて初めて)「これは確かに浦和のサッカーは面白いぞ」と思った。
ヨーロッパの監督らしいトレンドを追った高い位置から相手ボールにプレッシャーを掛けてボールを奪いにいく姿勢。
FC東京ゴール前から自陣ゴール前まで、ピッチのあらゆる場所で強度の高いプレーが連続される。
往々にしてこの手のサッカーは70分あたりからがくりと運動量が落ちるが、そのようなこともなく10人の選手がピッチ上を動き回るタフさも見せた。
そしてこの中心にいたのは、間違いなくJ2から移籍してきた小泉と明本の二人だった。
J1の舞台を夢見て戦ってきた二人の選手にとって、浦和レッズという看板を背にJ1開幕戦のピッチに立つことはプロ選手としての新たな野心を抱くに十分な瞬間だっただろう。
特に小泉はその野心を表現するかのように、後退するまでの75分間攻守にわたり豊富な運動量と的確なポジショニングで浦和の甲種のスイッチを担っていた。
これまでは他所からトッププレーヤーを獲得することがチーム強化の根幹となっていたが、下部リーグから自チームに合う選手を獲得し、しっかりと結果を出させることからも「浦和は面白い」と他チームサポーターに思わせるには十分だった。

逆を言うと、浦和のこのサッカーに適応する選手を獲得するというのは非常に難しいとも言える。
恐らく外国人選手はコロナがひと段落し、ロドリゲスの出身でもあるヨーロッパの移籍市場が開く夏の段階で補強するのだろうが、これだけの運動量と強度を求められる上に、Jリーグが総体的に持つアジリティをも有する選手となるとかなり選択肢も限られてくるだろう。
その分日本人選手にも多くのチャンスがあるだろうから、純国産レッズがリーグを騒がせる存在になるのもまた面白いかもしれない。

最後に付け加えるならば、山中も非常に良かった。
スペイン人監督がよく好む偽ラテラル(サイドバック)のように、攻撃時にピッチ中央に入って来てプレーする姿が今日以上に増えると、新レッズの新たな攻撃の形にもなるだろう。

FC東京 - 効果的なプレーをどう生むか

FC東京からすれば「引き分けられて良かった」という思いが選手もサポーターも多いだろう。
僕自身はこの引き分けはよく言われる表現を使えば「フェアな結果」として受け止めている。
もちろん東京自体は決定気を全く演出できず、前半に至っては2本のシュート止まり。
攻撃においては浦和のプレスを掻い潜ることもできず、淡白なプレーが続き攻撃の糸口を掴むことも出来なかった。
その一方で守備面は後半には大きく改善されて、真ん中でしっかりブロックを作って浦和のパスをサイドにサイドにと押し出し、決定機を作らせていなかった。
この点から考えると、少々アンラッキーとも言える形で先制されたが、同様に一撃必殺とも言えるセットプレーから追いついたのは、フェアな結果であったと感じる。

ファスト・ブレークと言う言葉で表現されることが多いFC東京だが、今日のような形で相手からプレッシャーを受け続けてしまうと、やはりこれまでと同じく中盤の駒が不足していることが如実に現れてしまった。
シルバ、安部、東の3人は守備面においてはそれぞれが違った個性を持っており安定した力を見せるが、攻撃面においては状況を打破するパスやドリブル、という点では不足が感じられる。
今日のような試合になると、中盤の選手がシンプルなプレー(ファーストタッチやパスやドリブル)でプレッシャーを1枚剥がせるかどうかで局面が大きく変わるので、ベンチも含めてその役割を誰に担わせるのかが優勝を目指すには不可欠になってくるだろう。

本来であればワンタッチのパスで局面を変えられる高萩が適任ではあるが、守備の強度面で先の3人に劣るだけにスタメンでは使いにくい。
となると今日もセットプレーからアシストした三田が鍵を握る選手になるかとは思う。
5人の交代枠を使える今シーズンだけに、中盤の構成を変えることでどうゲームの流れを変えることができるのか、ベンチワークが問われるシーズンとも言える。

個人的には今日の引き分けは満足と言える結果だった。

あと付け加えておくならば、新加入の渡辺凌は十分にやっていたと思う。
浦和の小泉ほどのインパクトではなかったが、ワンタッチで日本代表歴もある山中を交わしてドリブルするシーンなど、変化を作れる選手である可能性を見せてくれたし、守備面でもサボらずによく上下していた。
チームとの連携もこれから上がってくるだろうが、中にカットインするような動きが増えてくると、攻撃に迫力を与えられるようにもなるので、これから自由度も上げてプレーしていって欲しい。
この試合で見れた唯一の良い攻撃ポイントだったかな、という感じだった。

Marcelo Bielsa Pre Match Press Conference – Leeds United vs West Ham

最良の選手と対峙したい

2月27日のアストンヴィラ戦前のプレスカンファレンス。
相手キープレーヤーであるグリーリッシュの欠場予想について、自軍のフィリップス、コッホの怪我状況などについての質問をビエルサ節で一刀両断。

アストンヴィラとリーズの類似性についてはビエルサらしい表現で立場と状況の違いを語った。
Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)

マテウシュ・クリヒ、カルヴィン・フィリップス、ロドリゴとその他怪我人についての状況をお伺いできますか?

クリヒはの状態はいい。カルヴィンは今週末は使えない。

マテウシュは選出されるに十分だと思われますか?

わからんね。

ジャック・ハリソンはここ数試合で交代させられています。どおように彼をマネージメントしていますか?彼に個人的に話しかけのか、彼自身に乗り越えさせるのか、必要なことはなんでしょうか?

ハリソンは非常に強いメンタルを持った選手だ。晴れはプロとして献身的だし、必要な時は、他の選手と同様に彼と対話することをしている。

アストンヴィラは昨シーズン非常に苦戦していました。今シーズン彼られは良いシーズンを過ごしています。今シーズンにおいて、彼らの顕著な違いとはなんでしょうか?

最近の状況について語るのであれば、チームというのは上位の10位に入るのか、20位から10位なのか、もしくは10位から15位の間なのか、10位から5位の間なのかということでしかない。

アストンヴィラは彼らが行ってきた変革に値する状況にある。彼らは改善が必要だと思ったポジションに対しての解決策を見出した。彼らはこの大会でプレーするレベルにある選手をなんとか確保することができた。
彼らにはそのプロジェクトを補完することができる効率的な若い選手を有してもいる。

ジャック・グリーリッシュが今週末の試合に出場できるか微妙です。それはリーズの準備にどの程度影響するでしょうか。

彼は非常に素晴らしいプレーヤーであり、違いを生み出せる選手だ。例えどんなに我々のチームを強化したとしても、最高の選手は脅威を与え、対応することを難解にするものなので、私としては相手が最良の選手を選出することを望んでいる。

そういったことは我々にとっても刺激的なことだ。非常に良いプレーをする選手と向き合い、無力化し、相手の疲弊した選手ではなく、最高な選手に対峙する。以前に言ったように、彼らはどんな選手が欠場してもカバーできるチームだ。

リーズは10月に3-0で勝っています。今回はどんなことが待ち受けているでしょうか?

アストンヴィラは非常によいプレーをするチームだ。一貫している。その試合の時は我々は非常に良い状態だった。それから20試合もあれば我々も浮き沈みはある。

リーズとアストンヴィラは、間違いなく今季の予測を上回ったチームです。アストンヴィラとリーズの双方がと組んでいることで類似点はありますか?共通点はあるでしょうか?

(アストンヴィラは)プレミアリーグに戻って2シーズン目であり、彼らは修正をした。犯したミスから修正を行えるというのは利点だ。チャンピオンシップからプレミアリーグに上がってきて、間違いを起こさないなんてことは不可能だ。なぜならレベルが全く違うのだから。

それぞれのポジションでプレーする選手の特徴についてはある程度の類似性はあるだろう。それぞれの選手にいる選手は二人のフルバック、二人のセンターバック、ディフェンシブミッドフィルダー、Box To Boxにオフェンシブミッドフィルダーに二人のウィングにセンターフォワードということだ。
彼らは我々が持っているのと同様の特徴を持っている。
君がこれに似た何かを目撃したというなら、私も同様のものを見るんだろう。

ロビン・コッホはいつ練習に復帰できるでしょうか?

3月の1週目には戻ってくると考えている。

彼のリハビリがどの程度なのか教えていただけますか?重傷なだけに予定より早いのでしょうか?

彼の回復は期待通りだ。コッホは非常に前向きで、楽しく、勤勉で自分の取るべき責任に向けて真剣に取り組む選手だ。怪我をする以前と同じような力強さとパフォーマンスで戻ってくるだろう。

カルヴィン・フィリップスについてはどうでしょうか?彼の怪我を未だ引きずっているように見えるので。以前アーセナル戦以前に彼には復帰の機会があるとおっしゃっていて、彼も出場に近づいていたようですが、そこから3~4試合を経ています。思った以上に深刻なのですか?

よく使う言い回しがある。選手は進化の対象として戻ってくる、という言い回しだ。私が言ったように、彼が怪我をした際にはよく早く戻ってくるという選択肢はあったが、彼の怪我はふくらはぎの怪我だ。
再発は状況を悪化させるだけなので、再発を避けなければならない状況だ。なので我々は彼の復帰については非常に注意深くなっているが、彼は確実に戻ってくると思っている。

ニューカッスル戦後、その日に新たな怪我をしたディエゴ・ジョレンテの精神的な影響についてお話しされました。サウサンプトンとの試合を通して、彼にとってはその状況を乗り越えることはどれほど重要だったとお考えですか?

怪我をし、その怪我を繰り返した選手にとって90分を終えることは非常に重要なことだ。

先日のサウサンプトン戦での勝利によって、リーズはアストンヴィラ同様にトップ10に入りました。プレミアリーグのトップ10に留まる、ということが今の課題でしょうか?

目標は次の試合を乗り越えることだ。次の試合を乗り越えるために、通常はその位置を維持するのか、より良くなるのかを考える。無論我々は勝ちに値するようにプレーしていきたい。肯定的な血が与えられたときに、それが順位にどう影響するのかを考えたい。

Marcelo Bielsa Post Match Press Conference – Leeds United vs Southampton

3ゴールは両者のパフォーマンス以上の差

連敗を2で止めて、再びトップハーフの順位に上昇したリーズ。
怪我からの完全復活となったジョレンテ、大活躍が続くラフィーニャ、そして亡くなられたフィリップスの祖母ヴァルさんについて語ったビエルサの試合後記者会見です。
Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)

非常にタイトな前半でしたが、そのゲームを特に後半上手く運べた要因はなんですか?

後半はあっという間に得点することができて試合を始められた。3ゴールは両者のパフォーマンス以上の差になった。我々は我々がしたように、サウサンプトンが一瞬でも試合を支配しないように尽力しなくてはならなかった。例え我々の攻撃が相手の倍のチャンスを演出したようにうまく行ったとしても、試合自体はいつでも(状況が)変わるものなのだから。

今夜は非常に重要なクリーンシートでしたが、ディエゴ・ジョレンテの影響力はどの程度ありましたか?

我々は組織だった守備を行う。我々の攻撃陣は多くの仕事をこなすので、ディフェンダーがボールを回収するのを容易にしてくれる。ジョレンテはその一員であることを証明した。
今回のような試合では相手チームは異なるタイプのフォワードを使い、その多くは質の高い選手であり、彼の貢献というのは非常に有効だった。

ラフィーニャについて多くの事柄が言われていますが、上手い選手に対してあなたは何を教えるのでしょうか?彼に何か教えるべきことはありますか?

彼はアンバランスな選手と言えるだろう。非常に野心的で、とても競争力がある。一般的ではない複雑さを持っているのだが、彼は高いレベルで創造性があると同時にバランスを崩しかねない。私が彼にできること、というのは非常に少ないと思っている。自発的な選手に対して最善を尽くせるとしたならば、彼ららしくさせてあげる、ということだろう。

スチュアート・ダラスがカルヴィン・フィリップスの祖母への手向けとしてジャージを掲げましたが、その損失はチームにとってどの程度ショックなことでしか?

我々にとって、フィリップスは愛すべき選手だ。彼はリーズ・ユナイテッドの象徴だ。我々が昇格してから、カルヴィンのおばあちゃんの姿は公のものになったし、我々全員も彼女のことを気にかけるようになった。
あなたがいうように、カルヴィンにとっては愛する多くの理由をもった女性だった。彼女は、彼女のことを知らない人にとっても非常にカリスマ的で魅力的な人だった。
彼女が我々と一緒に居られないということは残念でならない。そしてもちろん、カルヴィンと彼のご家族にとってどれだけの損失を意味するのか、ということはもちろんのことだ。

ラフィーニャが非常に早く適応したことをお話になりました。能力のある選手が、性格や人格かつ謙虚にグループに溶け込むことはどれほど重要なことでしょうか?

リーズにいるグループは、人間性においては、本当に最高の経験(を提供してくれる人たち)だ。(リーズに)到着した全ての人は保護され、歓迎される。コーチング・スタッフも同様に扱われるし、我々も到着した時には同じように受け入れられ、歓迎された。選手自身の経歴とラフィーニャの人間的な側面から考えても、全ての事柄うまく溶け合ったと言える。

Match Review 2021.2.24 Leeds United vs Southampton

二度見て気付く絶妙な差配

いつもはリアルタイムでも後追いでも試合を1回観て自分なりの考えを構成するのだけど、この試合だけはたまたまリアルタイムで観ることとなり、眠気と戦いながらだったので珍しく2度観た。

ライブ視聴の時に
「前半はサウサンプトンペースでした。」
「前半のサウサンプトンペースの時に特典できなかったのが・・・」
中継の日本語コメンタリーで再三聞かれたのだけど、リーズ視点で観ていたのは確かだけど、本当にそうなのか?そんな違和感を覚えた。

2度目の試聴のときにその違和感の答えを探してみたところ、なるほどポゼッションもサウサンプトンだし、試合もリーズサイドで行われているから確かにサウサンプトンペースだし、リーズの攻撃は単調に見えたからサウサンプトンペースなんだろう、と合点がいった。

しかしながら、リーズの攻撃、時には守備においての絶妙な差配が行われいたことは初見では気づかなかった。
4-1-4-1なのか、3-5-1-1とかそういう数字の話ではなく、左右の入れ替えという単純な差配が後半開始早々のリーズ先制点の絶妙な撒き餌になっている、僕はそう感じたので、今回はリーズのポイントから。

また、冒頭に亡くなられたフィリップスの祖母ヴァルさんの名前が入ったユニフォームを試合後リーズメンバーで掲げ、ビエルサも記者会見で言及した。
チームからもファンからも愛されたおばあちゃんに改めて哀悼の意を表します。

 

香車と成金で撒き餌

試合立ち上がり、リーズは通常の右ラフィーニャ、左ハリソンという攻撃MFを逆に配した。
通常は左利きのラフィーニャ、右利きのハリソンがピッチ中央に切れ込んでいくことでサイドバックが上がるスペースを作り、それによって相手DFとGKの間にアーリークロスを入れていくのがリーズの定番となっていた。
この試合において両選手は、両者の利き足と同じサイドに配されることで、リーズのサイド攻撃は縦に縦に、となっていた。
無論これは前節で優れたスピードを見せたサウサンプトンのテラをケアするために長い距離をスプリン出来るハリソンを右に配して対応させたい、という意図もあったのだろう。

ただ、攻撃の際には、中盤深い位置から左右を操るパスを支えるフィリップスがいないため、この配置だとどうしてもDFラインから長いボールを蹴り込んでサイドを上がらせる、またはサイドバックから縦につけてサイドバックが追い越す時間を作って攻撃、と相手DFからすると守り易い状況での攻撃しかできない。
アクセントをつけるためいロバーツが下がってボールをもらってドリブルや左右に散らしてもう一度ボールをもらうというきっかけを作ろうとしていたが、これも決定的な状況を作るには至らなかった。

しかし、試合を振り返ってみると、巧妙な撒き餌が展開されていたとしか思えない。
右サイドはハリソンも右サイドバックのエイリングも縦に縦にの動きになり、さしづめ将棋で言えば香車を縦に2枚並べたような、上下の機動力を重視した攻撃しかできず、単調にならざるを得なかった。
これが撒き餌1。

その配置を前半途中に通常通り右ラフィーニャ、左ハリソンにポジションチェンジ。
このポジションチェンジからロメウの攻守に阻まれる決定機が生まれた。
ポジションチェンジが撒き餌2。

どういうことか。
撒き餌1では香車の2枚の動きによりサウサンプトンはサイドMF、サイドバックの同数に数的優位を加えるためにロメウとウォードプラウズのサウサンプトン中盤1枚を応援に出させる。
これでサイドの守備面は3-2でサウサンプトンの優位。
この撒き餌1でサウサンプトン中盤をサイドに誘き出すことに成功する。

撒き餌2ではラフィーニャをハリソンの立ち位置を変えることで、撒き餌1によって誘き出されたセンターハーフが開けたスペースにカットインができる。
その分センターバックが前に出ざるを得ないため、最終ラインからセンターバックを誘い出せる。
気付かずに香車は金に成っていて斜めにも動き出し敵陣に入り込でいた。

後半開始。
リーズウィングの位置は元に戻したうえに、右サイドのハリソンに代えてより香車感の強いコスタを投入。
この後半開始の策によって、サウサンプトン守備陣はそれぞれのマーキングの確認と対応を再度認識合わせすることを強いられた。
自身のチャンスから展開されたボールをリーズGKメリエが手にしたトランジション時に、サウサンプトンはこの認識合わせを十分にできずにぶっつけ本番するより仕方がなくなった。
サウサンプトの両ワイドは対抗となるリーズワイドを探す、センターハーフもバランスを確認、センターバックはセンターハーフがボール奪取に向かう際にできるスペースのカバーに。
それぞれが撒き餌によって刷り込まれた試合への対応に切り替わっていたはずだ。
その状況でボールはピッチ中央のロバーツへ。
サウサンプトン中盤がロバーツへターゲット変更することで、MFとDFの間の距離が一瞬離れる。
そこをケアすべくセンターバックが前に出た瞬間にロバーツがパスを出した。
バンフォードまでの距離を補うには弱いボールでのパスだったが、一瞬前に出かかったサウサンプトンDFを背走させるには十分な強さ。
足元に入れたバンフォードが落ち着いてゴール右隅にボールを蹴り込んだ。

長短のパスを折り混みながら香車を動かしたり、成金を動かすことで、サウサンプトン守備陣の潜在意識に迷いが生じていた。
そこをうまく一撃で突いた先制点。
見直してこの将棋のような緻密さを感じたのが、僕にとっての大きなハイライトだった。

この先制点の後は左右を入れ替えたり、サイドバックが偽ラテラルのように中盤に顔を出したりとリーズは可変を繰り返す。
先制点までで巧妙に仕掛けられた罠は時間が経てば経つほどサウサンプトンを蝕んでいた。

違和感の大きな理由はこれだったんだろう。

1枚、1手足りない

戦前予想でリーズの中盤が1枚浮く、と予想したが、割とのそのような展開になりロバーツはそこそこ自由にポジションを変えてプレーしていた。
この1枚浮く、または浮かせてしまうというのが攻守においてもサウサンプトンの課題だと感じた。
ウォード=プラウズの正確なキックと気の利いたスペースマネージメント、闘犬のようなロメウのボールハンティング、どちらも非常にレベルの高い中盤の選手ではあるが、攻撃においても中のポジションはこの二人で構成されており、DRラインを前にしたときにどうしても1枚足りなかったり、もう1手加えられれば決定機になったのでは、というシーンが多かった。
逆を言えばリーズファンにとっては冷や汗というシーンは数えるしかなかったということだ。

ハーゼンヒュットル監督の意図としては、強固な中盤2枚を中心に高い位置でボールを奪い、サイドの選手も中に入ってゴール前に迫ることが目的なのだろうが、ゴール前でDFラインを形成されるとどうしてもサイドにサイドに、とボールを動かさざるを得なくなる。
そこからサイドを深く抉っても、結果中の枚数が足りない上にブロックを作られてしまっているのでペナルティ外の選手にマイナスのパスを出さざるを得ない。

ポゼッションが高くてもブロックを作られるとどうしてもこういう動きになりがちになる。
その上先制されてリードされているから、後ろからも押し上げが強くなりスペースができやすく一発で裏を取られる。
時間が経つにつれてサウサンプトンはドツボにハマって行ったように思う。

そういった意味では、ボールとは逆サイドのウイングがしっかりトップ下の位置まで入り込んでくることがサウサンプトンには必要だろう。
後半投入された南野に託された役割はそうであるべき、と思っていたが、彼のプレーを見るにどうもそのタスクを任されていた感じはなかった。

怪我人も続出でなかなかそうは問屋が卸してくれないという側面もあるだろうが、この1枚がないともう1手が出せない。
ハーゼンヒュットルとセインツサポーターの苦悩は暫し続くだろう。

余録 ゲーゲン、ゲーゲンうるさいです

ハーゼンヒュットルに関わらず、ドイツサッカーに関しては採用戦術はゲーゲンプレスと言われて久しくなった。
果たしてそうなのだろうか。ゲーゲンプレスって戦術なんだろうか?
ゲーゲンプレスをしたところで、結局前項で示したようにサイドに押し出されて中でシュートが打てないのであれば、それは戦術ではない。
「ゲーゲンプレスから高い位置でボールを奪い、そこから2列目、逆サイドまでがペナルティに入りゴールを奪う戦術」
として戦術を構成しないと意味がない。
つまり、ゲーゲンプレスとは戦術の構成要素の一つであって、戦術そのものではない。
これはカウンターサッカーもそうだし、結局のところそのチームを分かりやすく類型化するために代表的な戦術構成要素を用いているに過ぎないので、ゲーゲンプレス、ゲーゲンプレス、げーげんぷれす、ゲーが出ますとやかましい。

ビエルサのサッカーが面白いのは、マンツーマンという代表的なキーワードが出るが、その実マークの受け渡しはするし、必要以上にゾーンを放棄してまでついていかない。
ゾーンとマンマークを高い次元で融合し、カウンターもあればポゼッションもある。
簡単に類型化できず、とにかく選手の運動量が多いサッカーなので「Murder Ball」と言われる。
むしろこのMurder Ballがビエルサの戦術であって、マンマークではない。

構成要素に囚われて、その監督を評価するのは本質からかけ離れたことでしかないと思う。
この辺は別項でくどくど言ってみたい。

3

0

得点

バンフォード(47′)
ダラス(78′)
ラフィーニャ(84′)

得点

In/OutPos.LeedsSouthamptonPos.In/Out
GKイラン・メリエアレックス・マッカーシーGK
CBパスカル・ストライクライアン・バートランドLB
CBリアム・クーパーモハメド・サリスCB
CBディエゴ・ジョレンテヤニク・ヴェステルゴーCB
LMスチュアート・ダラスヤン・ベドナレクRB
Out(59')CMマテウシュ・クリヒネイサン・テラLMOunt(58')
RMルーク・エイリングオリオル・ロメウCMOut(70')
Out(46')LAMジャック・ハリソンジェームズ・ウォード=プラウズCM
Out(75')CAMタイラー・ロバーツスチュアート・アームストロングRM
RAMラフィーニャネイサン・レドモンドFWOut(58')
CFパトリック・バンフォードチェ・アダムスFW
SubSub
GKキコ・カシージャフレイザー・フォスターGK
DFオリバー・ケイシージャック・スティーブンスDF
DFニール・ハギンズケイン・ラムゼイDF
In(59')DFエズジャン・アリオスキームサ・ジェネポMFIn(70')
DFチャーリー・クレスウェルアレクサンドラ・ヤンケヴィッツMF
MFジャック・ジェンキンスクガオゲロ・チャウケMF
In(46')MFエウデル・コスタダニー・イングスFWIn(58')
In(75')MFパブロ・エルナンデス南野 拓実FWIn(58')
FWジョー・ゲルハートダニエル・ヌルンドゥルFW

Marcelo Bielsa Post Match Press Conference -Wolverhampton vs Leeds United

運が結果における要素にならないようにそれを乗り越えるべき策がある

前節アーセナル戦とは全く違う形での敗戦となり連敗を喫したリーズ・ユナイテッド。
ファンとしては”不運”という言葉で片付けたくなるような失点について、マルセロ・ビエルサはその学者然とした回答で一刀両断にした。
Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)

引き分けにできなかったということからも、どれだけ不運だったと感じていますか?

もしもあなたが試合を振り返ったなら、我々が(試合の)大半を支配していた(とわかるだろう)。非常に僅かな時間だけ我々が試合を支配できなかった。

チャンスのシーンを見てみれば、我々は彼らが作った2倍のチャンスを作った。我々はよく守ったし、よく攻めた、つまりはこれが私が今している(今日の)試合の分析だ。

分析についてはよくわかりました。しかし、今日はあなた方(リーズ)の日ではなかったし、神が味方してくれなかったと感じるところもあって然るべきだったのではないですか?そう感じませんか?

我々は結果と運を紐付けないようにしている。私には運が結果における要素にならないようにそれを乗り越えるべき策がある。しかしはっきりしているのは、今日の結果は効率性によるものであると定義されるべきということだ。

もしも君が運と君が身を捧げたことをついて語るとするならば、時にはそれは一般的には受け入れられないこともある。

今夜のジェイミー・シャクルトンについて。彼が守備陣の前でプレーしたことについてどのように感じていますか?

彼は守備的ミッドフィルダーのように守った。しかし彼はナンバーエイト(攻撃的ミッドフィルダー)のように攻撃もした。彼とクリヒの間で、二人は守備的ミッドフィルダーとナンバーエイトの役割を分担していた。

(相手の)二人の守備的ミッドフィルダーとストライカーの間(のポジション)においては、攻撃的なミッドフィルダーという(役割は)ない(に等しい)。これは彼らにとってこなすには厳しい要求ではなかったということだ。

あなたはリアム・クーパーがプレミア・リーグに適応していることを評価していますか?

私の視点からすると、(彼には)不便はない。彼は非常に上手く守れる選手だ。彼は上手く対処しているし、彼は自分の背後もしっかりと守っている。
彼は空中戦でも輝いているし、ボールに対しても非常に良く(守備)できている。これらの面をほとんどのゲームで定常的に表現していると言える。

負けた試合にも関わらず、今夜のアウェイでの試合はかなりポジティブに感じるものでしたか?

君の言ったことに賛成だな。

Match Review 2021.2.19 Wolverhampton vs Leeds United

運か効率か

「我々は結果と運を紐付けないようにしている。私には運を結果における要素にならないように、それを越えるための考えがある。しかしはっきりしているのは、今日の結果は効率性によるものであると定義されるということだ。」
この試合の後の記者会見でビエルサはこのように語った。

ウルブズのアダマ・トラオレが左サイドで縦パスを受けるととそのまま対峙したエイリングを振り切ってカットイン。
カバーリングに向かったストライクを持ち前のスピードで交わして右足から力強く弾き出されたボールはそのままクロスバーに跳ね返り、反応後着地したキーパーメリエの背中にあたりゴールへ・・・(その刹那思わず「嗚呼、楢崎正剛!」と呟いてしまった。この意味はFC東京ファンの方なら記憶を呼び起こすと理解してもらえるかもしれない。)。

このオウンゴールのシーンを「不運」と片付けるのは、試合の大半を支配しながらも敗戦した我々ファンの気持ちを慰めるには最も適当な方法である。

しかし、ビエルサが語るように、運で片付けるということは効率性が悪かった自軍の結果に目を瞑ることにもなる。
簡単にトラオレを振り向かせてしまったこと。それにより右サイドのスペースをストライクがカバーしに出ざるを得なかったこと。そして結果トラオレがドリブルでカットインするだけのスペースを開けてしまい、右足を振り抜かせたこと。
決めきるべきところで決められなかったが故に、効率的に得点を奪ったウルヴズに軍配が上がった。

中盤の封鎖とn対nの狭間に

戦前の予想では中盤で激しいマッチアップが繰り広げられる分、双方のサイドが鍵になると予想した。
ウルヴズの注目選手として挙げたモウチーニョとネベスだったが、その二人をケアするためにアンカーポジションに配置されたリーズのシャクルトンが望外の活躍を見せ、二人にボールが入るところをことごとく潰しに行き、試合の局面を動かすようなプレーをほとんどさせることがなかった。
この意味からも、僕個人だけでなく、各種識者や海外メディアで予想された以上に、正にピッチの真ん中は「封鎖」された状況となり、ウルヴズのパス主体は3バックから両ワイドのセメド、カストロを経由するケースが多く、真ん中を使えてもシンプルに外に叩くという動きが大半となった。

3-4-3のウルヴズと4-1-4-1のリーズ、双方の戦術は拮抗するには噛み合わせが悪いようにも見えるが、中盤を共に潰しあったことでサイドでの2対2の構図がくっくりと浮かび上がり非常に迫力のある攻防戦を見ることができた。
例えば、ウルブズが右ワイドMFのセメドと3トップ右のネトで縦へ仕掛けようとする攻撃を、リーズはハリソンとダラスで対応し、そのバトルにウルヴズはFWのウィリアン・ジョゼ、リーズはCBのクーパーやクリヒが参加するといった数的同位でのバトルがそこかしこで見られた。

このような中で殊更ピッチ上での違いを植え付けるのは、やはりこの持つ力。
圧倒的なフィジカル能力を誇るアダマ・トラオレの存在感はウルヴズ左サイドで圧倒的だった。
冒頭にも記したように、得点シーンにおいても、左CBサイスからの縦パスがトラオレの足元に入った瞬間を狙ってリーズ右サイドバックのエイリングが一気に寄せたが、しっかりと体でエイリングをブロックしターンと一瞬の爆発力で抜き去ってシュートまで持ち込んだシーンは圧巻だった。
むしろリーズファン目線で言えば、あそこで一気に寄せてしまった守備をミスとして論うこともできなくはない。
しかし、そうなったとしても一旦終戦した中央の戦場の裏側にそれなりのスペースが空いていたことを考えると、遅らせたからといって効果的にウルヴズの攻撃を止められたとは限らない。

散々繰り返されたn対nの戦いがこの一瞬だけ1対1に陥れることができたウルヴズの攻撃が「効率的」なゴールを生んだ端緒であることに間違いはない。

ポジティブな敗戦

予想された通りに中盤にロバーツを配することで、リーズは中盤で時間を作ることができるようになっていた。
特に前半には、先に述べたようにモウチーニョとネベスというウルヴズのキーマン2人をシャケルトンが潰しに行き、そのカバーをクリヒが行うことで、ロバーツはトップ下のようなポジションでプレーすることができ、ウルヴズ中盤とDFラインの間を自由に動き回った。
これにより両サイドのラフィーニャとハリソンも上下動がしやすくなっただけでなく、サイドバックの上がりを待つ余裕も生まれていた。
ただ、後半になり左サイドのハリソンがセメドとネトの対応で疲弊するとロバーツも左サイドに流れることが多くなってしまい、リーズの攻撃がラフィーニャの右かロングボールでのDF裏狙いの2パターンに落ち込んでしまったことで、ロバーツの存在感も薄れてしまった。
ただし、前節アーセナル戦での途中出場から流れを変えることができたことで掴んだこのスタメンもポジティブに受け入れられたと思う。
あとはもう少しバンフォードに近い位置でプレーできれば、チームとしての得点機会も演出できるようになるだろう。

そしてもう一つは昨シーズンからビエルサの頭を悩ませてきたフィリップス欠場時の穴埋めに新たなオプションが加わったことだろう。
小兵のシャケルトンにフィリップスの代役が務まるのか、と試合開始時は後ろ向きに考えたが、ハイボールはCB2枚が尽く跳ね返し、シャケルトンは猛然とウルヴズ中盤2枚に襲いかかり、そのこぼれ球回収役をクリヒが担うことで、攻守のスイッチを切り替えていた。
これまでは中盤での空中戦対策も考えストライクを起用することが多かったビエルサだが、地上戦であればシャケルトンが十分にプレミアでもやれることを前節で本人が示したことで、ビエルサの頭の中にあったであろうオプションを具現化する機会を得られたのがこの試合だったのだろう。

この試合のベンチには怪我が重なるジョレンテも戻り、今後クーパーの相棒として確立されてくれば、アンカーオプションが増えたことも戦術の多様性に繋がってくる。
フィリップスが戻れればシャケルトンを起用することで怪我を抱えたままのクリヒを休ませることもできる。
怪我人が重なる苦しい状況をユース上がりの若手が一変させる可能性が見えたという意味でも、この試合の意義は大きかった。
スタンドに姿が見えたサウスゲートの目にもしっかりと印象は残したのではないか。

惜しむらくはセットプレーから再三迎えた決定機に決め切ることができなかった点と、英語でゴールポストを意味する「woodwork」が”work”してしまい、2試合連続でメリエに試練を与えたことか。

次節サウサンプトン戦は嫌でも日本で注目される。
そこでこの連敗を止めたい。

1

0

得点

オウンゴール(64′)

得点

In/OutPos.WolverhamptonLeeds UnitedPos.In/Out
GKルイ・パトリシオイラン・メリエGK
CBレアンデル・デンドンカースチュアート・ダラスLB
CBコナー・コーディーリアム・クーパーCB
CBロマン・サイスパスカル・ストライクCB
Out(60)LMヨナタン・カストロルーク・エイリングRB
CMルベン・ネベスジェイミー・シャクルトンDMOut(66')
CMジョアン・モウチーニョジャック・ハリソンLMOut(81')
RMネルソン・セメドマテウシュ・クリヒCMOut(81')
LWペドロ・ネトタイラー・ロバーツCM
Out(87')CFWウィリアン・ジョゼラフィーニャRM
RWアダマ・トラオレパトリック・バンフォードCF
SubSub
GKジョン・ラディキコ・カシージャGK
In(82')DFライアン・エイト・ヌーリナイアル・ハギンスDF
In(60')
Out(82')
DFマルサルディエゴ・ジョレンテDF
DFキ=ヤナ・フーフェルエズジャン・アリオスキDFIn(81')
DFマックス・キルマンジャック・ジェンキンスMF
MFモーガン・ギブス・ホワイトエウデル・コスタMFIn(81')
MFヴィトール・フェレイラパブロ・エルナンデスMFIn(66')
MFオーウェン・オタソウィージョー・ゲルハルトFW
FWファビオ・シウバ

Marcelo Bielsa Pre Match Press Conference -Wolverhampton vs Leeds

ウルヴズ戦にはフィリップスとロドリゴは不出場

2月20日のウルヴズ戦前のプレスカンファレンスでは怪我人の状況についての質問が大半を占めた。
ビエルサ監督は「チームのメンバー起用に関する予測については回答したくない」としながらも、怪我人を抱えるチームはいくつかのオプションを持ちながら進んでいくしかない、という決然とした態度を表明しウルヴズ戦に臨むチームを表した。
Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)

怪我の話題から始めてもいいですか?
カルヴィン・フリップス、ロドリゴ、ジョレンテ、クリヒ、彼らは今回のウルヴズとの試合に向けてどの程度回復していますか?また、こういった怪我の問題を抱えているとき、チーム全体のバランスを正すことはどれほど難しいですか?

クリヒとジョレンテは出場が可能だ。フィリップスとロドリゴはそうではない。すべてのチームが怪我の問題を抱えている。他チームよりも少々(怪我人が)多い。時々、同じ時期に多くの怪我人を抱えているチームはある。それらは我々が分かっていることであり、それらの解決策は見つけなければならない。

 

ウルヴズはその最たる例でしょうか?彼らはキープレーヤーであるラウル・ヒメネスなしで対戦せざるを得ません。今シーズン、ウルヴズについてどう理解をしていて、1つ上の順位に位置しているリーズについてどのように言及されますか?

 

チームを作るということはたった1年でする仕事ではありません。ウォルヴァーハンプトンのセンターフォワード(ヒメネス)の場合、彼の代わりとして彼らは良い経歴の選手を連れてきた。我々も何人かの選手と今年の初めに契約をした。我々はこれに大きな努力費やしてきた。我々は、メリエ、ハリソン、コスタを継続し、コッホ、ジョレンテ、ラフィーニャ、ロドリゴを連れてくるために多大な努力を払った。

(新たな選手を)チームに適応させることは難しく複雑な仕事だ。プレミアリーグの最初の年に完全なチームを持つことは非常に困難だと思う。そのため、何人かの選手の才能を伸ばしていくということは非常に重要になってくる。パスカル(ストライク)、シャクルトンの場合、良い右バック、良いナンバー8、良いセンターバック、または良いセンターミッドを探すすのであれば(良いオプションになる)。これらのポジションで優秀な選手を獲得するのにどれだけの費用がかかるかについて言及する必要があるだろう。例えば、リーズはベン・ホワイトを3000万ポンドで移籍させたいと考えていましたが、実現できなかった。我々は慎重にチームを進化させようとしなければならない。

 

イラン・メリエは、日曜日のアーセナル戦後、少々批判を受けました。彼は今シーズンも素晴らしい時間を過ごしてきました。プレミアリーグでプレーする若いゴールキーパーとしていくつかの間違いを犯すことは避けられませんか?それはすべて彼自身の学びの一部であると思いますか?

間違いを犯さないゴールキーパーはいない。ゴールキーパーは、自分が犯した過ちを乗り越えたときに自分自身を強化することができる。過去にやってしまったことへの批評は忘れて、現在に固執することが普通のことだろう。この件については私よりもリバプールのマネージャーが良い回答を持っているかもしれない。

 

明日のカルヴィンの不在にあたり、(引き続き)パスカル・ストライクに固執し(て起用)ますか?それともチーム内にその役割に適した他の選手がいると思いますか?

パスカルはオプションの一人ではあるが、他の考え方もある。しかし、しばらくの間、私はチームの予測については伝えたくないと思っている。

 

イアン・ポベダの(怪我の)状況に関する最新情報はありますか?

彼は怪我から回復しており、彼の復帰はこの怪我の回復状況に左右されるだろう。

Match Review 2021.2.14 Arsenal vs Leeds United

2つの魅力2つの試合

前半というよりも50分までは完全にアーセナルが試合を支配したゲームだった。
50分以降は0-4というビハインドにもめげずにリーズが反撃し、試合の面白さを取り戻した。
この試合を良い意味で捉えれば両軍合わせて6点が入る、中立の立場のサッカーファンからすると非常にダイナミックな試合だっただろう。
一方で違う見方、否定的な見方をすれば、個の力でリーズと圧倒するアーセナルがリーズの組織力に押されてしまい完勝できる試合を苦しい試合にしてしまった、とも言えるのではないか。
ただ、個性豊かなアーセナルと組織力と規律のリーズという異質な魅力を持ったチーム同士のガチンコでのぶつかり合いが前後半で全く違った試合を見せてくれた、という非常にダイナミックな試合だった。

 

アーセナルらしい個の融合

どのポジションを見ても高い技術力とスピードを持ち合わせた選手がいる、それがアーセナルの印象だ。
その個の魅力に組織力が加わると、手に負えないほどの力を発揮し、相手を圧倒する攻撃力となり見るものを魅了する。これは過去長きに渡ってアーセナルがアーセナルたる所以でもある。
僕自身はアーセナルの試合を全て見ているわけではないが、古くはアーセン・ベンゲルが指揮した時代からシャンパン・サッカー〜ティキ・タカなどと言われる、いわゆるシンプルかつスピーディーなパス回しで相手を翻弄し攻撃するということがチームの文化として培われてきたのが特徴になっていると認識している。
この日のアーセナルは、立ち上がりからまさにこのパスサッカーでリーズを翻弄した。

リーズの戦術の特徴は、センターフォワードがファーストDFとして相手GKとDFのビルドアップのパスコースを消しながら守備のスイッチを入れ、それに連動して左右のウィングやセントラルMFが相手中盤やサイドの選手にマンツーマンでマークを行うというマンツーマンディフェンスが象徴的な言葉となっている。

アーセナルはこのリーズが採る守備戦術にしっかり対応し、ビルドアップから高い技術力で攻撃につなげ、マンツーマンで引き出されたリーズ守備陣が空けたスペースを活用してゴールを陥れた。

例えばアーセナルのビルドアップ時に、レノがダヴィド・ルイス、ベジェリンの両者からビルドアップをしようとすれば、そのラインをリーズのバンフォードが消しに行く。
そうなった場合にガブリエルがレノに寄ってパスコースを作るのだが、ガブリエウが動いた後のスペースにセバージョスが入ってボールを受けて素早くジャカや、または幅を取ってポジショニングしたスミス=ロウに繋ぐ、というシーンが何度も見られた。

これらに対応するためにセバージョスへのパスをリーズはダラスとラフィーニャ(またはクリヒとハリソンなど)が抑えに行くと、シンプルにルイスやガブリエウに下げられ、2人のMFが食いついた分空いたスペースに中長距離のパスを出され、そのケアにサイドバックや守備的MFが引き摺り出される。
このアーセナルのシンプルかつ素早い連動がリーズのスペースマネージメントを見事なまでに瓦解させた。
このような動き自体は、選手個々が持つ技術力が高くなければできない芸当であり、長年リーズを応援する身からしても、高速パスから高速FWが最終ラインを切り裂くという「これぞアーセナル!」という攻撃には感嘆の息を漏らすより仕方がなかった。

 

課題と収穫と

本来は自分達が相手に対してやりたいことを出だしからやられて面食らったのがこの日のリーズだったと言えるだろう。
先に述べたようにアーセナルが見せたビルドアップからの形を、オーバメヤン含めたアーセナル攻撃陣に封じられた上に、自分達の守備も後追いになってしまった。
この結果がオーバメヤンのPKでの得点につながるメリエの反則にも繋がったわけで、マンチェスターシティとリバプール戦を想起させるような素早い出足の最前線からの守備がリーズのゲームプランを根底から覆すことになっていった。

リーズにとってはこのような押し込まれる状況が続いている中で、個の力で局面を打開できるだけのスキルセットを持った選手がピッチにいなかったことは一つの課題だっただろう。
リーズの中ではラフィーニャ、ジャック・ハリソンの両ワイドがその力を持っているが、サイドでのこの打開はリーズに限らずどうしても独力にならざるを得ないため、孤立してしまっていた。
無論クリヒやダラスという中盤の選手もプレミアで十分にその力量を発揮しているが、技術力で相手を凌駕するというよりもハードワークで相手中盤からボールを奪ってゴール前に出ていく推進力を武器とするタイプのため、ラフィーニャやハリソンと連携して相手DFを崩しにかかるタイプではない。
そのため、どうしても自分達のプレスがはまらなくなると、両ワイドが孤立してしまいサイドバックとのパス交換で相手DFのズレを探すしか無くなってしまうという、負のスパイラルに巻き込まれてしまっていた。

その課題に対する解決策として一つの道筋を見出したのが、クリヒに代わって後半から入ったタイラー・ロバーツだろう。
若きウェールズ代表は良くも悪くも多くの外的評価を付されている。ストライカーという人も言えば、ドリブラー、トップ下などなど、彼のプレーを見た人によってポジション適正がバラバラという選手だ。
ただ、これも裏を返せば攻撃に関してはシュートも撃てる、パスも出せる、ドリブルもできるという万能選手でもある。
これは先に述べたような中盤で局面を変えるに当たっての適任の選手とも言える。
この交代策はばっちりと当たり、ロバーツがボールを受けてドリブルで一人交わして相手DFにズレを生じさせるとそこにラフィーニャが入り込んだり、ハリソンに代わったコスタが入り込んだりと、中盤とワイドが連携して相互にスペースに入り込んでいくリーズらしい攻撃を構成することができるようになった。
この後半の流れは今後の大きなオプションになる。
また冬の移籍市場で移籍リクエストを出していたと言われるロバーツにとっても、流れを変えられたこのアーセナル戦での出来はビエルサに対する大きなアピールにもなるはずで、今後の出場機会増加にもつながるだろう。

そしてもう一つ見えた光明は、疲れの見えたアリオスキに代えてハギンスが右サイドバックに入ったことで(左にはダラス)、右サイドバックで出場していたシャクルトンが中盤に移行したことだ。
本来は中盤を専門とするシャクルトンは、先の通りロバーツが入ったことで上手くアーセナルのダブルボランチとセンターバックの間に位置を取ったり、2センターバックのギャップでボールを受けたりと、攻撃におけるポテンシャルの一端を垣間見せた。

この二人の選手(ハギンスも含めれば3人)の及第点を与えるには十分な動きは、ラフィーニャやコスタといったサイドの選手を活かす大きな歯車になっていた。
この試合のように当初のゲームプランが狂って収まりが悪い場合に、取り得るオプションとして認識できたことは、この敗戦における大きな収穫だっただろう。

 

4

2

得点

オーバメヤン(13′)
オーバメヤン(41′)
ベジェリン(45′)
オーバメヤン(47′)

得点

ストライク(58′)
コスタ(69′)

In/OutPos.ArsenalLeeds UnitedPos.In/Out
GKベルント・レノイラン・メリエGK
LBセドリック・ソアレスエズジャン・アリオスキLBOut(53')
CBガブリエウリアム・クーパーCB
CBダヴィド・ルイスルーク・エイリングCB
RBエクトル・ベジェリンジェイミー・シャクルトンRB
DMグラニト・ジャカパスカル・ストライクDM
Out(89')DMダニ・セバージョススチュアート・ダラスCM
LMエミール・スミス=ロウマテウシュ・クリヒCMOut(46’)
Out(78')AMマルティン・ウーデゴールジャック・ハリソンLMOut(46')
RMブカヨ・サカラフィーニャRM
Out(62')CFピエール・エメリク・オーバメヤンパトリック・バンフォードCF
SubSub
GKマシュー・ライアンキコ・カシージャGK
In(89')DFロブ・ホールディングスナイアル・ハギンスDFOut(53')
DFカラム・チェンバースチャーリー・クレスウェルDF
DFパブロ・マリリーフ・デイビスDF
Out(78')MFモハメド・エルネニージャック・ジェンキンスMF
In(62')MFウィリアンエウデル・コスタMF
FWアレクサンドル・ラカゼットパブロ・エルナンデスMFIn(46')
FWニコラス・ぺぺジョー・ゲルハルトFW
FWガブリエル・マルティネスタイラー・ロバーツFWIn(46')

Arsenal vs Leeds United – Marcelo Bielsa Post Match Press Conference

前半と後半で逆の展開になった、と試合を評したビエルサ

4失点後にも格上アーセナルに立ち向かい2-4という結果に終わったリーズユナイテッド。
フィリップスの不出場、クリヒの途中交代、プレミア初先発となったシャクルトンや初出場のハギンズをビエルサがどう評したのかも含めて、ビエルサ節満載のポストマッチカンファレンスとなりました。
Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)

前後半それぞれのパフォーマンスの違いをどのように説明しますか?

前半はアーセナル陣から自陣への攻撃を分断することができなかった。また我々がビルドアップしようとしても、我々はボールを相手人内にきれいに入れることができなかった。双方の監督にとっては驚きはない内容だった。アーセナルは私たちがどのようにプレスするかを知っていて、これに対処してきた。我々は彼らがどのようにプレッシャーをかけるかを認識していたが、我々はこれを解決することができなかったた。後半はこれと逆のことが起こったということだ。

また、クリヒが100パーセントの状況ではない状況でプレーしたことを言及しておかないとならない。彼のプレー自体は彼自身の気前の良い行為と言えるだろう。我々は前半を通してその状態に耐えなければならなかったということは、(我々が直面した)もう一つの困難でもあった。私は彼がこの試合を行うことができるように彼自身が払った犠牲をとても大切に感じている。

マテウシュ・クリヒの問題は何だったのでしょうか。また、カルビン・フィリップスの不在はあなたには大きな問題であると思いますが、いつ戻ってくると思いますか。

今日はパスカル(ストライク)がいい試合をしたと。フルバックとしてのシャクルトンの前半は、フルバックとして安全なものだった。センターバックとしてのエイリングは、世界的に見ても良い反応をしていた。もちろん、すべてのチームに欠場があり、フィリップスを頼りにできないことは不利だが、ゲームのバランスが崩れたのはこの問題ではない。

フィリップスが出場可能になるのはいつですか。また、マテウシュ・クリヒの問題点は何だったのでしょうか。

フィリップスの復帰は、彼の怪我からの回復状況次第。そしてクリヒは腰に少々問題を抱えていました。

ナイアル・ハギンズが本日デビューしました。彼がデビューするには難しい状況でしたが、彼は対応したと思いますか。そして彼はあなたに何をもたらしてくれると思いますか?

カルビン(フィリップス)、コッホ、ジョレンテ、ポベダ、(ロドリゴ)モレノの不在、我々はそれらを解決する準備ができています。私自身はパスカル(ストライク)、エイリング、シャクルトンは彼らの不在の状況をうまく解決したと思っている。

ナイアル(ハギンズ)のような若いプレーヤーにとって、4-0で負けているこのような状況で試合に出場し、試合自体を元に戻すという状況に参加するということは非常に困難で不公平だった。(しかし彼は)バランスの取れたゲームをしました。彼は輝かなかったが、同時に悪いプレーもなかった。

あなたは、(アーセナルの)プレスの回避に関しては後半に反対のことが起こったとおっしゃいました。ゲームを変えるために、あなたは何をより良くまたは違ったようにしましたか?

それは私が今説明したことだ。前半は(パスの)循環が途絶え、攻撃に流動性を与える条件で相手陣内にボールを入れることができなかった。前半はそれほど頻繁に状況を改善することはできなかった。前半はうまくいかなかったが、対戦相手はうまくいった。後半は相手よりも上手くやることがでた。

あなたが最後にここにいたとき(*2020年のFAカップ対戦時)、8,000人のリーズファンがいました。多くの試合を閉ざされた扉の下で行ってきた後、ファンやファンから得られるエネルギーがないために、一部のプレーヤーが空のスタジアムで良いプレーをするのか、それとも悪いプレーをしてしまうのか、に関して何らかの理論を見出しましたか?

ファンがいないので、それにプラスの結果があるとは考えられない。しかし、おそらくだが、いくつかのことがより良いかもしれないという結論を提供する分析もしくは統計はある。ファンがいないことは前向きな見方で評価できる。(ファンからの)プレッシャーが少なくなると、選手に対しての抑制が少なくなり大胆になることができる。まず第一に、これが本当かどうかはわからない。もしこれが本当なら、我々はまだここにいないファンと一緒に、もっと多くのものを失うと思う。

クリヒやダラスのような人物ではなく、守備的ミッドフィールダーとしてストライクを選んだ理由は何でしたか?

私にとって最も困難なのは、対戦相手の2人の守備的MFをどのようにして無力化してプレーをするか、だった。前半をよく見て欲しい。我々にとって最大のことの1つは、ジャカとセバージョスをコントロールできなかったことだ。(更には)彼らの前で、攻撃的なプレーヤーであるがウーデゴールがいた。

試合開始時点でクリヒもしくははダラスがウーデゴールと対峙するとした場合、ダラスもクリヒも守備的ミッドフィールダーではなく、またパスカル(ストライク)はこの(クリヒやダラスの)ポジションでプレーはできない。我々のチームでは、守備的ミッドフィールダーが3番目のディフェンダーだ。私たちのチームでは、2つのセンターバックと守備的ミッドフィールダーが最も守備をすることになっている。

クリヒまたはダラスが3番目に守備的な選手であると解釈した場合、我々にはさらに多くの問題が発生しただろう。我々が抱えていた最大の問題は、前半に2人のセンターバックと2人のセントラルミッドフィルダー間のパス循環を無力化できなかったことだ。

前半を評価しましたが、後半は同じ(状況)だったが(立場が)逆だった。

今日与えた失点に不満を感じていますか?それらは自ら招いたものでしたか、それとも回避可能でしたか?

前半はうまく守備ができず、ボールが(アーセナル陣内の)後ろから前に移動しすぎて、アーセナルにとってあまりにもきれいなプレーだったためうまく守れなかった。回避可能または回避不可能な失点以上のものだった。8番と34番の影響を止めていられたらもっとよく守っていたか?(それなら)うまく守っていただろうね。これを避けるためにチームを準備した。

明らかに、相手のマネージャーは、我々が上手く守るを達成するの回避するために、彼のチームをよく準備してきた。これは、マネージャーごとに目の前の状況を異なる方法で解決したためだ。前半は3-0で負け、後半は2-1で勝った。

特に後半の初めに4点目を失った時は、チームのムードに大きな打撃を与え、我々は4-0からの復帰を目指した。(その意味では)後半のプレーの仕方をとても大切に捉えている。我々は3つ目ののゴールを決めることができたかもしれない。もし私たちが3ゴール目を決めることができたなら、引き分けに持ち込めたか、というのは私にはわからない。アーセナルの勝利がフェアな結果だった。だが、我々には4-2で、4-3にするための2つまたは3つのオプションがあった。これが我々にゲームを引き分けにできるかもしれない、という希望を与えていたとは思う。

私はリーズの選手と一緒に仕事をするのが好きだ。私はリーズの理事やアカデミーといった組織が好きで、そしてまたチームのインフラやファーストチームの備品などの会長の支援を高く評価している。このチームは40,000〜50,000の絶対的なファンを収容してプレーすることが簡単にできるチームだ。これらすべてがリーズを魅力的なチームにしてる。そしてもちろん、それこそが世界で最高のリーグだと言えるだろう。