J1 League Match Review 2021.2.27 浦和レッズ vs FC東京

積み上げと再構築と

やっぱりJ1開幕がやってくるとワクワクしてしまう。
キックオフ前にはテレビの前に陣取って、両チームのメンバーを見て今季はどんなサッカーをするのかと想像する。
欲を言えばビールがあれば尚ワクワク感に花を添えてくれるのだけど、嫁の目を気にして回避。

FC東京は昨年までの積み上げでリーグ制覇を狙うシーズン。
堅牢な守備と縦に速い攻撃を特徴に、どうやって浦和ゴールを陥れいるのか。

一方の浦和はチーム再構築のシーズン。
徳島をJ1に昇格させたロドリゲス監督の下、コロナ禍もあるだろうけど、外国人選手に頼らず日本人選手だけで新たなチーム像を作っていく。
コロナの影響もあり例年以上に各チームのキャンプ情報が少ない中、特にレッズがどうトランスフォームをするのかの情報は少なかった。
どんな新しいチームになるのか。

FC東京の開幕戦としては申し分のない相手。
楽しい気持ちでキックオフのホイッスルの音を聞いた。

浦和レッズ - インテンシティとタフネスと野心と

試合が15分を経過した段階で(極めて個人的かつ生まれて初めて)「これは確かに浦和のサッカーは面白いぞ」と思った。
ヨーロッパの監督らしいトレンドを追った高い位置から相手ボールにプレッシャーを掛けてボールを奪いにいく姿勢。
FC東京ゴール前から自陣ゴール前まで、ピッチのあらゆる場所で強度の高いプレーが連続される。
往々にしてこの手のサッカーは70分あたりからがくりと運動量が落ちるが、そのようなこともなく10人の選手がピッチ上を動き回るタフさも見せた。
そしてこの中心にいたのは、間違いなくJ2から移籍してきた小泉と明本の二人だった。
J1の舞台を夢見て戦ってきた二人の選手にとって、浦和レッズという看板を背にJ1開幕戦のピッチに立つことはプロ選手としての新たな野心を抱くに十分な瞬間だっただろう。
特に小泉はその野心を表現するかのように、後退するまでの75分間攻守にわたり豊富な運動量と的確なポジショニングで浦和の甲種のスイッチを担っていた。
これまでは他所からトッププレーヤーを獲得することがチーム強化の根幹となっていたが、下部リーグから自チームに合う選手を獲得し、しっかりと結果を出させることからも「浦和は面白い」と他チームサポーターに思わせるには十分だった。

逆を言うと、浦和のこのサッカーに適応する選手を獲得するというのは非常に難しいとも言える。
恐らく外国人選手はコロナがひと段落し、ロドリゲスの出身でもあるヨーロッパの移籍市場が開く夏の段階で補強するのだろうが、これだけの運動量と強度を求められる上に、Jリーグが総体的に持つアジリティをも有する選手となるとかなり選択肢も限られてくるだろう。
その分日本人選手にも多くのチャンスがあるだろうから、純国産レッズがリーグを騒がせる存在になるのもまた面白いかもしれない。

最後に付け加えるならば、山中も非常に良かった。
スペイン人監督がよく好む偽ラテラル(サイドバック)のように、攻撃時にピッチ中央に入って来てプレーする姿が今日以上に増えると、新レッズの新たな攻撃の形にもなるだろう。

FC東京 - 効果的なプレーをどう生むか

FC東京からすれば「引き分けられて良かった」という思いが選手もサポーターも多いだろう。
僕自身はこの引き分けはよく言われる表現を使えば「フェアな結果」として受け止めている。
もちろん東京自体は決定気を全く演出できず、前半に至っては2本のシュート止まり。
攻撃においては浦和のプレスを掻い潜ることもできず、淡白なプレーが続き攻撃の糸口を掴むことも出来なかった。
その一方で守備面は後半には大きく改善されて、真ん中でしっかりブロックを作って浦和のパスをサイドにサイドにと押し出し、決定機を作らせていなかった。
この点から考えると、少々アンラッキーとも言える形で先制されたが、同様に一撃必殺とも言えるセットプレーから追いついたのは、フェアな結果であったと感じる。

ファスト・ブレークと言う言葉で表現されることが多いFC東京だが、今日のような形で相手からプレッシャーを受け続けてしまうと、やはりこれまでと同じく中盤の駒が不足していることが如実に現れてしまった。
シルバ、安部、東の3人は守備面においてはそれぞれが違った個性を持っており安定した力を見せるが、攻撃面においては状況を打破するパスやドリブル、という点では不足が感じられる。
今日のような試合になると、中盤の選手がシンプルなプレー(ファーストタッチやパスやドリブル)でプレッシャーを1枚剥がせるかどうかで局面が大きく変わるので、ベンチも含めてその役割を誰に担わせるのかが優勝を目指すには不可欠になってくるだろう。

本来であればワンタッチのパスで局面を変えられる高萩が適任ではあるが、守備の強度面で先の3人に劣るだけにスタメンでは使いにくい。
となると今日もセットプレーからアシストした三田が鍵を握る選手になるかとは思う。
5人の交代枠を使える今シーズンだけに、中盤の構成を変えることでどうゲームの流れを変えることができるのか、ベンチワークが問われるシーズンとも言える。

個人的には今日の引き分けは満足と言える結果だった。

あと付け加えておくならば、新加入の渡辺凌は十分にやっていたと思う。
浦和の小泉ほどのインパクトではなかったが、ワンタッチで日本代表歴もある山中を交わしてドリブルするシーンなど、変化を作れる選手である可能性を見せてくれたし、守備面でもサボらずによく上下していた。
チームとの連携もこれから上がってくるだろうが、中にカットインするような動きが増えてくると、攻撃に迫力を与えられるようにもなるので、これから自由度も上げてプレーしていって欲しい。
この試合で見れた唯一の良い攻撃ポイントだったかな、という感じだった。

Match Prediction / Premier League Leeds United vs Aston Villa

Footballic Match Preview

Premier League リーズユナイテッド vs アストンヴィラ

出張があったとはいえ、1日4投稿ってやっぱりだめね。
投稿も仕事も先延ばしにせず少しずつでも前に進めましょう・・・。

リーズ贔屓の当サイトが、なるべく平たく試合を予想していきます。
データ、ここ最近の両チームの調子などを見ながら、当日の予想を展開します。

振り返り

前回の両者対戦は昨年10月24日、アストンヴィラホームの試合。
あれよあれよとバンフォードが後半にハットトリックを決めて3-0でリーズが勝利。
ただしヴィラはその後立て直して堅実な守備から現在8位。
リーズは出入りの激しい試合が多く、その後塵を排して10位。
リーズにとってはトップハーフを確実にするための戦いが続きます。

予想

直近のリーグ戦5試合を比較してみると、
 ・アストンヴィラ:WLWDL
    ・リーズ:LWLLW

アストンヴィラの強みは連敗をしないところだろう。
今季ここまでの連敗は2連敗が2回のみ。
相手なりに戦える力があり、またきちんと修正して勝点を拾えるところが強み。
失点平均もリーグ戦で1.13、アウェイに限ってはしっかりと守備を固めて臨むことが0.83ということからもわかる。

一方のリーズは大味な試合が多く、失点平均はリーグ戦で1.72、ホームでは1.33となっている。
得点を見るとアストンヴィラのリーグ平均/アウェイ平均は1.61/1.42、リーズは1.72/1.58.。

基本的にはどちらも失点する可能性が高い、と読み取れる。

では今回はもう少し掘り下げてみて、それぞれのホーム、アウェイの5試合状況を見てみると、リーズは5試合で3勝2敗(8得点/3失点)でその3勝は全てクリーンシートと守備陣の状況が上向いている。
アストンヴィラはというと、アウェイ5試合は1勝1分3敗(3得点/7失点)でそのうちクリーンシートは2試合。
攻撃的に出るリーズと守備を固めて入るヴィラ、という構図が想像できる。

ではデータからもう少し見ていくと、双方の前半の得点確率はリーズ:ヴィラ=42%:50%、後半は58%:67%。
同様に前後半のクリーンシート確率を見ると、前半はリーズ:ヴィラ=42%:75%で、後半は57%:67%となる。

データ的にはリーズが勝つ見込みは極めて少ないように感じる。
勝てるとするのであれば、前半を無失点で切り抜け、後半先制点を奪って無失点で抑えるよりない。
ここ最近のホームでのクリーンシートが多いことを考えれば期待はできる。

ただ、ヴィラも上位以外には連敗しないことを考えると、拮抗した試合になるだろう。

ということで予想は・・・

◎本命:1-2 アストンヴィラ勝利
○対抗:1-1 ドロー
▲大穴:3-0 リーズ勝利

リーズが勝つなら複数得点しかなく、その勝負がつくのは後半になるかと。
逆に先制点を奪われると相当に苦しい試合運びを強いられることになりそう2

観戦ポイント

アストンヴィラが中5日で臨むのに比べてリーズは中3日。
このインターバルの差はかなり大きそう。

フォーメーションはアストンヴィラは4-2-3-1で、ジャック・グリーリッシュの出場が微妙。
前回対戦時にもフィリップスがいなかったことを考えると、リーズは4-4-1-1で中盤をストライクとクリヒで構成する形になるかもしれない。

ヴィラが両ワイドの攻撃的な選手をどう組んでくるのか、によってリーズの出方も大きく変わるだろう。
左のワイドに順応しつつあるトラオレを配してきた場合は、アリオスキとダラスを縦に並べてトラオレを封殺しにかかりにいくかもしれない。
その場合ヴィラの左ワイドはエル・ガジかグリーリッシュ。
どちらのパターンであっても相対するのはラフィーニャとエイリングで、ヴィラの左ワイドが上がった裏のスペースを、真ん中も使いながらラフィーニャで攻める、またはロバーツが流れて起点になるなどの構成が取れる。

リーズにとってみれば最終ラインにジョレンテが復帰し前節で90分こなせたことで、ストライクを前で使うこともできるし、最終ラインに入れてCBを3枚並べてブロックを作りながら前半を乗り越えて後半から勝負というオプションができた。
そのためこの試合で取れる方策は単純な4-1-4-1は取らずに、4-4-1-1のような形でスタートする可能性もあるし、前々節に結果を出したシャクルトンを起用して、ヴィラのダブルボランチの間を埋めてくる可能性もある。

この試合もやはり中盤からサイドの攻防から目を離せない試合になることは間違いないだろう。
中5日のヴィラはグリーリッシュの状況次第だが、どちらにせよトラオレがヴィラの攻撃の鍵を握るので、そこへの供給源をどう減らすのか。
対するリーズはラフィーニャが違いを生み出すだろうが、そのためには中盤でどう時間を作るかが重要になってくるので、誰を配置するのかが非常に重要になる。
クリヒかシャクルトンか、クリヒを休ませるのか使うのか。
ワイドはハリソンかアリオスキか。
用兵によってリーズの狙いは変わってくるが、鍵を握るのはヴィラのダブルボランチとそこに対峙するリーズの中盤になると予想する。

Marcelo Bielsa Pre Match Press Conference – Leeds United vs West Ham

最良の選手と対峙したい

2月27日のアストンヴィラ戦前のプレスカンファレンス。
相手キープレーヤーであるグリーリッシュの欠場予想について、自軍のフィリップス、コッホの怪我状況などについての質問をビエルサ節で一刀両断。

アストンヴィラとリーズの類似性についてはビエルサらしい表現で立場と状況の違いを語った。
Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)

マテウシュ・クリヒ、カルヴィン・フィリップス、ロドリゴとその他怪我人についての状況をお伺いできますか?

クリヒはの状態はいい。カルヴィンは今週末は使えない。

マテウシュは選出されるに十分だと思われますか?

わからんね。

ジャック・ハリソンはここ数試合で交代させられています。どおように彼をマネージメントしていますか?彼に個人的に話しかけのか、彼自身に乗り越えさせるのか、必要なことはなんでしょうか?

ハリソンは非常に強いメンタルを持った選手だ。晴れはプロとして献身的だし、必要な時は、他の選手と同様に彼と対話することをしている。

アストンヴィラは昨シーズン非常に苦戦していました。今シーズン彼られは良いシーズンを過ごしています。今シーズンにおいて、彼らの顕著な違いとはなんでしょうか?

最近の状況について語るのであれば、チームというのは上位の10位に入るのか、20位から10位なのか、もしくは10位から15位の間なのか、10位から5位の間なのかということでしかない。

アストンヴィラは彼らが行ってきた変革に値する状況にある。彼らは改善が必要だと思ったポジションに対しての解決策を見出した。彼らはこの大会でプレーするレベルにある選手をなんとか確保することができた。
彼らにはそのプロジェクトを補完することができる効率的な若い選手を有してもいる。

ジャック・グリーリッシュが今週末の試合に出場できるか微妙です。それはリーズの準備にどの程度影響するでしょうか。

彼は非常に素晴らしいプレーヤーであり、違いを生み出せる選手だ。例えどんなに我々のチームを強化したとしても、最高の選手は脅威を与え、対応することを難解にするものなので、私としては相手が最良の選手を選出することを望んでいる。

そういったことは我々にとっても刺激的なことだ。非常に良いプレーをする選手と向き合い、無力化し、相手の疲弊した選手ではなく、最高な選手に対峙する。以前に言ったように、彼らはどんな選手が欠場してもカバーできるチームだ。

リーズは10月に3-0で勝っています。今回はどんなことが待ち受けているでしょうか?

アストンヴィラは非常によいプレーをするチームだ。一貫している。その試合の時は我々は非常に良い状態だった。それから20試合もあれば我々も浮き沈みはある。

リーズとアストンヴィラは、間違いなく今季の予測を上回ったチームです。アストンヴィラとリーズの双方がと組んでいることで類似点はありますか?共通点はあるでしょうか?

(アストンヴィラは)プレミアリーグに戻って2シーズン目であり、彼らは修正をした。犯したミスから修正を行えるというのは利点だ。チャンピオンシップからプレミアリーグに上がってきて、間違いを起こさないなんてことは不可能だ。なぜならレベルが全く違うのだから。

それぞれのポジションでプレーする選手の特徴についてはある程度の類似性はあるだろう。それぞれの選手にいる選手は二人のフルバック、二人のセンターバック、ディフェンシブミッドフィルダー、Box To Boxにオフェンシブミッドフィルダーに二人のウィングにセンターフォワードということだ。
彼らは我々が持っているのと同様の特徴を持っている。
君がこれに似た何かを目撃したというなら、私も同様のものを見るんだろう。

ロビン・コッホはいつ練習に復帰できるでしょうか?

3月の1週目には戻ってくると考えている。

彼のリハビリがどの程度なのか教えていただけますか?重傷なだけに予定より早いのでしょうか?

彼の回復は期待通りだ。コッホは非常に前向きで、楽しく、勤勉で自分の取るべき責任に向けて真剣に取り組む選手だ。怪我をする以前と同じような力強さとパフォーマンスで戻ってくるだろう。

カルヴィン・フィリップスについてはどうでしょうか?彼の怪我を未だ引きずっているように見えるので。以前アーセナル戦以前に彼には復帰の機会があるとおっしゃっていて、彼も出場に近づいていたようですが、そこから3~4試合を経ています。思った以上に深刻なのですか?

よく使う言い回しがある。選手は進化の対象として戻ってくる、という言い回しだ。私が言ったように、彼が怪我をした際にはよく早く戻ってくるという選択肢はあったが、彼の怪我はふくらはぎの怪我だ。
再発は状況を悪化させるだけなので、再発を避けなければならない状況だ。なので我々は彼の復帰については非常に注意深くなっているが、彼は確実に戻ってくると思っている。

ニューカッスル戦後、その日に新たな怪我をしたディエゴ・ジョレンテの精神的な影響についてお話しされました。サウサンプトンとの試合を通して、彼にとってはその状況を乗り越えることはどれほど重要だったとお考えですか?

怪我をし、その怪我を繰り返した選手にとって90分を終えることは非常に重要なことだ。

先日のサウサンプトン戦での勝利によって、リーズはアストンヴィラ同様にトップ10に入りました。プレミアリーグのトップ10に留まる、ということが今の課題でしょうか?

目標は次の試合を乗り越えることだ。次の試合を乗り越えるために、通常はその位置を維持するのか、より良くなるのかを考える。無論我々は勝ちに値するようにプレーしていきたい。肯定的な血が与えられたときに、それが順位にどう影響するのかを考えたい。