月: 2021年2月
Marcelo Bielsa Post Match Press Conference – Leeds United vs Aston Villa
多くのチャンスがあったが最後のところでのパスの正確性を欠いた
非常に厳しいサウサンプトン戦からの連勝を狙ったアストンヴィラ戦。終始試合の主導権を握りながらも決定機を作れず0-1で敗戦した試合について「パス、クロス、ボックス内全てにおいてパスの正確性に欠けていた」と評した。
また、「本来は引き分けが妥当な結果だったが、誰が勝者になるべきかと言われればリーズだ」ともコメントしており、この試合の結果に関して珍しく悔しさを直接的に表現した。
(Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)
今夜はあなたのチームからは印象的なパフォーマンスがありませんでした。なぜ今日はトップギアにあげられなかったのでしょうか?
試合の中では、我々は相手チームよりも良いプレーをしたと思っている。我々は大半の時間を支配し、支配される時間も極めて少なかった。前半は相手が得点をしたが、我々は相手よりも多くのチャンスを作った。
あのゴールは意図したものではなかった。シュートを打った選手がスリップしてボールを要求していない選手へのパスになった。
一般的には前半は我々は与えられたチャンスを活かすべきだった、しかし我々は後半のように前半はうまく守ることができなかった。
後半は我々は非常によく守備ができた。後半の大半でボールを握っていたが、(相手にとって)危険なシーンを作れなかった。
常に相手のペナルティボックスで攻撃を終えていた。カウンターアタックは仕掛けていない。我々は相手のファイナルサードでボールを失ってしまっていた。全てのワイドからの中央へクロス、パスが不正確だった。多くの機会があったセットプレーでは相手のバランスを崩すことができなかった。
まとめるならば、我々が負けるに値しない試合だっただろう。引き分けというのが妥当な結果だと思っている。そして勝者を決めるならばそれは我々だったと思う。
あなたの意見には同意で、支配率が高いことで前半に6度のゴールチャンスがあり、それはチャンスの数としては良い数だった。後半には完全に支配をしたが、1度しかゴールチャンスを作れなかった。
エウデル・コスタが久々の先発でしたが、彼についてどう思いますか?彼のパフォーマンスには喜んでいますか?
攻撃において相手のバランスを崩すことは非常に難しかった。彼は前半の攻撃には完璧に絡んでいた。後半の最初の15分に我々は相手を危機に陥れるのが難しかったので、ハリソンを入れることにした。
後半に相手が強固な守備をしたことをどのように捉えていますか?
二つの考え方で答えたい。私がアストンヴィラの守備を評価しなければならないのであれば、彼らはよくやったということだ。しかし私は我々の攻撃の仕方を検証したい。我々、たくさん、たくさん、たくさん攻撃を仕掛け、それはポジティブなことだだが、ただ我々はファイナルサードでボールを失った。
ファイナルサードでボールを捨てるということは、ファイナルサードでの正確なパスが必要だということだ。ペナルティのサイドからであろうが、外側であろうが、中であろうが関係ない。それは相手チームが我々の最終パスをよく守ったとも言い換えられるだろう。もしくは最後のパスにおいて創造性と正確性が欠けていたとも言えるだろう。
私たちはハーフタイムであなたが変更を加えると考えていましたが、そのつもりはありましたか?
ない。
ハリソンを先発から外した理由はなんですか?なぜこの試合で彼をスターティングメンバーから外そうと思われたのでしょうか?
いや、サウサンプトン戦の後半でのエウデル(コスタ)が彼をスタートから使うことが良いと私に思わせただけだ。
(アストンヴィラGK)エミ・マルティネスと試合前会話されていましたが、どんな言葉をかけたのでしょうか?
ただ挨拶をしただけた。同郷だから。
次節のウェストハム戦まで9日あります。怪我をしている選手が戻ってくるということはありますか?
この先9日間について話すということは少々リスクがあるだろう。
チームにとってプレミアリーグで一貫性を保っていくというのはどれほど大事なことでしょうか?
私は我々の全ての試合を分析している。今日は連勝するためには素晴らしく良い機会だった。我々は負けるに値しない試合をしたのだから。 大事なことはきっちりと試合に勝つことだ。試合に勝たなければ勝利を積み上げることはできない。我々の連勝を妨げるものは我々が今日やってしまったこと、ということそだと説明したい。
次の試合まで長い時間があります、9日です、ここ数週間多くの仕事量をこなした選手たちにとってはどのようにこの時間を使うのが最良でしょうか?
多くの目的がある。怪我から回復している選手をチームに戻したい。イライラしているような選手であればそのことを解決しなければならない。概して言えば、この9日間でチームは少々の休みを取ることになるだろう。
ヴィラの左サイドバック、マット・ターゲットが警告後にもピッチに立ち続けられたことはラッキーだったからだと思いますか?
君が言ったことにコメントするということは、審判のパフォーマンスについて私が評価をしなければならないといことなので、これ以上首を突っ込みたくはない。
アストンヴィラの2人のセンターハーフですが、どんな印象を受けましたか?そして彼らはリーズの「ファイナルサードでの難局」にどれだけ貢献していたのでしょうか?
既にこの質問には答えている。私がアストンヴィラに責任を持っているのであれば、彼らは非常によく守った。しかし今日起こったことについてリーズの監督という立場から言えば、対戦相手のことではなく自チームの長所を見極めるのが当然のことだ。これまで行ってきたように、我々には最後のところでのパスが足りなかった。最後のところで相手を崩す想像力に欠けていた。.ペナルティエリア内にクロスを入れるべきところでの正確性に欠けていた。通常の場合、私自身は試合で起きた特定の事柄について語ることは好きでない。特にそれらが相手の長所であるなら尚更だ。明確なのは、彼らが後半はよく守ったということだ
J1 League Match Review 2021.2.27 浦和レッズ vs FC東京
積み上げと再構築と
やっぱりJ1開幕がやってくるとワクワクしてしまう。
キックオフ前にはテレビの前に陣取って、両チームのメンバーを見て今季はどんなサッカーをするのかと想像する。
欲を言えばビールがあれば尚ワクワク感に花を添えてくれるのだけど、嫁の目を気にして回避。
FC東京は昨年までの積み上げでリーグ制覇を狙うシーズン。
堅牢な守備と縦に速い攻撃を特徴に、どうやって浦和ゴールを陥れいるのか。
一方の浦和はチーム再構築のシーズン。
徳島をJ1に昇格させたロドリゲス監督の下、コロナ禍もあるだろうけど、外国人選手に頼らず日本人選手だけで新たなチーム像を作っていく。
コロナの影響もあり例年以上に各チームのキャンプ情報が少ない中、特にレッズがどうトランスフォームをするのかの情報は少なかった。
どんな新しいチームになるのか。
FC東京の開幕戦としては申し分のない相手。
楽しい気持ちでキックオフのホイッスルの音を聞いた。
浦和レッズ - インテンシティとタフネスと野心と
試合が15分を経過した段階で(極めて個人的かつ生まれて初めて)「これは確かに浦和のサッカーは面白いぞ」と思った。
ヨーロッパの監督らしいトレンドを追った高い位置から相手ボールにプレッシャーを掛けてボールを奪いにいく姿勢。
FC東京ゴール前から自陣ゴール前まで、ピッチのあらゆる場所で強度の高いプレーが連続される。
往々にしてこの手のサッカーは70分あたりからがくりと運動量が落ちるが、そのようなこともなく10人の選手がピッチ上を動き回るタフさも見せた。
そしてこの中心にいたのは、間違いなくJ2から移籍してきた小泉と明本の二人だった。
J1の舞台を夢見て戦ってきた二人の選手にとって、浦和レッズという看板を背にJ1開幕戦のピッチに立つことはプロ選手としての新たな野心を抱くに十分な瞬間だっただろう。
特に小泉はその野心を表現するかのように、後退するまでの75分間攻守にわたり豊富な運動量と的確なポジショニングで浦和の甲種のスイッチを担っていた。
これまでは他所からトッププレーヤーを獲得することがチーム強化の根幹となっていたが、下部リーグから自チームに合う選手を獲得し、しっかりと結果を出させることからも「浦和は面白い」と他チームサポーターに思わせるには十分だった。
逆を言うと、浦和のこのサッカーに適応する選手を獲得するというのは非常に難しいとも言える。
恐らく外国人選手はコロナがひと段落し、ロドリゲスの出身でもあるヨーロッパの移籍市場が開く夏の段階で補強するのだろうが、これだけの運動量と強度を求められる上に、Jリーグが総体的に持つアジリティをも有する選手となるとかなり選択肢も限られてくるだろう。
その分日本人選手にも多くのチャンスがあるだろうから、純国産レッズがリーグを騒がせる存在になるのもまた面白いかもしれない。
最後に付け加えるならば、山中も非常に良かった。
スペイン人監督がよく好む偽ラテラル(サイドバック)のように、攻撃時にピッチ中央に入って来てプレーする姿が今日以上に増えると、新レッズの新たな攻撃の形にもなるだろう。
FC東京 - 効果的なプレーをどう生むか
FC東京からすれば「引き分けられて良かった」という思いが選手もサポーターも多いだろう。
僕自身はこの引き分けはよく言われる表現を使えば「フェアな結果」として受け止めている。
もちろん東京自体は決定気を全く演出できず、前半に至っては2本のシュート止まり。
攻撃においては浦和のプレスを掻い潜ることもできず、淡白なプレーが続き攻撃の糸口を掴むことも出来なかった。
その一方で守備面は後半には大きく改善されて、真ん中でしっかりブロックを作って浦和のパスをサイドにサイドにと押し出し、決定機を作らせていなかった。
この点から考えると、少々アンラッキーとも言える形で先制されたが、同様に一撃必殺とも言えるセットプレーから追いついたのは、フェアな結果であったと感じる。
ファスト・ブレークと言う言葉で表現されることが多いFC東京だが、今日のような形で相手からプレッシャーを受け続けてしまうと、やはりこれまでと同じく中盤の駒が不足していることが如実に現れてしまった。
シルバ、安部、東の3人は守備面においてはそれぞれが違った個性を持っており安定した力を見せるが、攻撃面においては状況を打破するパスやドリブル、という点では不足が感じられる。
今日のような試合になると、中盤の選手がシンプルなプレー(ファーストタッチやパスやドリブル)でプレッシャーを1枚剥がせるかどうかで局面が大きく変わるので、ベンチも含めてその役割を誰に担わせるのかが優勝を目指すには不可欠になってくるだろう。
本来であればワンタッチのパスで局面を変えられる高萩が適任ではあるが、守備の強度面で先の3人に劣るだけにスタメンでは使いにくい。
となると今日もセットプレーからアシストした三田が鍵を握る選手になるかとは思う。
5人の交代枠を使える今シーズンだけに、中盤の構成を変えることでどうゲームの流れを変えることができるのか、ベンチワークが問われるシーズンとも言える。
個人的には今日の引き分けは満足と言える結果だった。
あと付け加えておくならば、新加入の渡辺凌は十分にやっていたと思う。
浦和の小泉ほどのインパクトではなかったが、ワンタッチで日本代表歴もある山中を交わしてドリブルするシーンなど、変化を作れる選手である可能性を見せてくれたし、守備面でもサボらずによく上下していた。
チームとの連携もこれから上がってくるだろうが、中にカットインするような動きが増えてくると、攻撃に迫力を与えられるようにもなるので、これから自由度も上げてプレーしていって欲しい。
この試合で見れた唯一の良い攻撃ポイントだったかな、という感じだった。
Match Prediction / Premier League Leeds United vs Aston Villa
Footballic Match Preview
Premier League リーズユナイテッド vs アストンヴィラ
出張があったとはいえ、1日4投稿ってやっぱりだめね。
投稿も仕事も先延ばしにせず少しずつでも前に進めましょう・・・。
リーズ贔屓の当サイトが、なるべく平たく試合を予想していきます。
データ、ここ最近の両チームの調子などを見ながら、当日の予想を展開します。
振り返り
前回の両者対戦は昨年10月24日、アストンヴィラホームの試合。
あれよあれよとバンフォードが後半にハットトリックを決めて3-0でリーズが勝利。
ただしヴィラはその後立て直して堅実な守備から現在8位。
リーズは出入りの激しい試合が多く、その後塵を排して10位。
リーズにとってはトップハーフを確実にするための戦いが続きます。
予想
直近のリーグ戦5試合を比較してみると、
・アストンヴィラ:WLWDL
・リーズ:LWLLW
アストンヴィラの強みは連敗をしないところだろう。
今季ここまでの連敗は2連敗が2回のみ。
相手なりに戦える力があり、またきちんと修正して勝点を拾えるところが強み。
失点平均もリーグ戦で1.13、アウェイに限ってはしっかりと守備を固めて臨むことが0.83ということからもわかる。
一方のリーズは大味な試合が多く、失点平均はリーグ戦で1.72、ホームでは1.33となっている。
得点を見るとアストンヴィラのリーグ平均/アウェイ平均は1.61/1.42、リーズは1.72/1.58.。
基本的にはどちらも失点する可能性が高い、と読み取れる。
では今回はもう少し掘り下げてみて、それぞれのホーム、アウェイの5試合状況を見てみると、リーズは5試合で3勝2敗(8得点/3失点)でその3勝は全てクリーンシートと守備陣の状況が上向いている。
アストンヴィラはというと、アウェイ5試合は1勝1分3敗(3得点/7失点)でそのうちクリーンシートは2試合。
攻撃的に出るリーズと守備を固めて入るヴィラ、という構図が想像できる。
ではデータからもう少し見ていくと、双方の前半の得点確率はリーズ:ヴィラ=42%:50%、後半は58%:67%。
同様に前後半のクリーンシート確率を見ると、前半はリーズ:ヴィラ=42%:75%で、後半は57%:67%となる。
データ的にはリーズが勝つ見込みは極めて少ないように感じる。
勝てるとするのであれば、前半を無失点で切り抜け、後半先制点を奪って無失点で抑えるよりない。
ここ最近のホームでのクリーンシートが多いことを考えれば期待はできる。
ただ、ヴィラも上位以外には連敗しないことを考えると、拮抗した試合になるだろう。
ということで予想は・・・
◎本命:1-2 アストンヴィラ勝利
○対抗:1-1 ドロー
▲大穴:3-0 リーズ勝利
リーズが勝つなら複数得点しかなく、その勝負がつくのは後半になるかと。
逆に先制点を奪われると相当に苦しい試合運びを強いられることになりそう2
観戦ポイント
アストンヴィラが中5日で臨むのに比べてリーズは中3日。
このインターバルの差はかなり大きそう。
フォーメーションはアストンヴィラは4-2-3-1で、ジャック・グリーリッシュの出場が微妙。
前回対戦時にもフィリップスがいなかったことを考えると、リーズは4-4-1-1で中盤をストライクとクリヒで構成する形になるかもしれない。
ヴィラが両ワイドの攻撃的な選手をどう組んでくるのか、によってリーズの出方も大きく変わるだろう。
左のワイドに順応しつつあるトラオレを配してきた場合は、アリオスキとダラスを縦に並べてトラオレを封殺しにかかりにいくかもしれない。
その場合ヴィラの左ワイドはエル・ガジかグリーリッシュ。
どちらのパターンであっても相対するのはラフィーニャとエイリングで、ヴィラの左ワイドが上がった裏のスペースを、真ん中も使いながらラフィーニャで攻める、またはロバーツが流れて起点になるなどの構成が取れる。
リーズにとってみれば最終ラインにジョレンテが復帰し前節で90分こなせたことで、ストライクを前で使うこともできるし、最終ラインに入れてCBを3枚並べてブロックを作りながら前半を乗り越えて後半から勝負というオプションができた。
そのためこの試合で取れる方策は単純な4-1-4-1は取らずに、4-4-1-1のような形でスタートする可能性もあるし、前々節に結果を出したシャクルトンを起用して、ヴィラのダブルボランチの間を埋めてくる可能性もある。
この試合もやはり中盤からサイドの攻防から目を離せない試合になることは間違いないだろう。
中5日のヴィラはグリーリッシュの状況次第だが、どちらにせよトラオレがヴィラの攻撃の鍵を握るので、そこへの供給源をどう減らすのか。
対するリーズはラフィーニャが違いを生み出すだろうが、そのためには中盤でどう時間を作るかが重要になってくるので、誰を配置するのかが非常に重要になる。
クリヒかシャクルトンか、クリヒを休ませるのか使うのか。
ワイドはハリソンかアリオスキか。
用兵によってリーズの狙いは変わってくるが、鍵を握るのはヴィラのダブルボランチとそこに対峙するリーズの中盤になると予想する。
Marcelo Bielsa Pre Match Press Conference – Leeds United vs West Ham
最良の選手と対峙したい
2月27日のアストンヴィラ戦前のプレスカンファレンス。
相手キープレーヤーであるグリーリッシュの欠場予想について、自軍のフィリップス、コッホの怪我状況などについての質問をビエルサ節で一刀両断。
アストンヴィラとリーズの類似性についてはビエルサらしい表現で立場と状況の違いを語った。
(Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)
マテウシュ・クリヒ、カルヴィン・フィリップス、ロドリゴとその他怪我人についての状況をお伺いできますか?
クリヒはの状態はいい。カルヴィンは今週末は使えない。
マテウシュは選出されるに十分だと思われますか?
わからんね。
ジャック・ハリソンはここ数試合で交代させられています。どおように彼をマネージメントしていますか?彼に個人的に話しかけのか、彼自身に乗り越えさせるのか、必要なことはなんでしょうか?
ハリソンは非常に強いメンタルを持った選手だ。晴れはプロとして献身的だし、必要な時は、他の選手と同様に彼と対話することをしている。
アストンヴィラは昨シーズン非常に苦戦していました。今シーズン彼られは良いシーズンを過ごしています。今シーズンにおいて、彼らの顕著な違いとはなんでしょうか?
最近の状況について語るのであれば、チームというのは上位の10位に入るのか、20位から10位なのか、もしくは10位から15位の間なのか、10位から5位の間なのかということでしかない。
アストンヴィラは彼らが行ってきた変革に値する状況にある。彼らは改善が必要だと思ったポジションに対しての解決策を見出した。彼らはこの大会でプレーするレベルにある選手をなんとか確保することができた。
彼らにはそのプロジェクトを補完することができる効率的な若い選手を有してもいる。
ジャック・グリーリッシュが今週末の試合に出場できるか微妙です。それはリーズの準備にどの程度影響するでしょうか。
彼は非常に素晴らしいプレーヤーであり、違いを生み出せる選手だ。例えどんなに我々のチームを強化したとしても、最高の選手は脅威を与え、対応することを難解にするものなので、私としては相手が最良の選手を選出することを望んでいる。
そういったことは我々にとっても刺激的なことだ。非常に良いプレーをする選手と向き合い、無力化し、相手の疲弊した選手ではなく、最高な選手に対峙する。以前に言ったように、彼らはどんな選手が欠場してもカバーできるチームだ。
リーズは10月に3-0で勝っています。今回はどんなことが待ち受けているでしょうか?
アストンヴィラは非常によいプレーをするチームだ。一貫している。その試合の時は我々は非常に良い状態だった。それから20試合もあれば我々も浮き沈みはある。
リーズとアストンヴィラは、間違いなく今季の予測を上回ったチームです。アストンヴィラとリーズの双方がと組んでいることで類似点はありますか?共通点はあるでしょうか?
(アストンヴィラは)プレミアリーグに戻って2シーズン目であり、彼らは修正をした。犯したミスから修正を行えるというのは利点だ。チャンピオンシップからプレミアリーグに上がってきて、間違いを起こさないなんてことは不可能だ。なぜならレベルが全く違うのだから。
それぞれのポジションでプレーする選手の特徴についてはある程度の類似性はあるだろう。それぞれの選手にいる選手は二人のフルバック、二人のセンターバック、ディフェンシブミッドフィルダー、Box To Boxにオフェンシブミッドフィルダーに二人のウィングにセンターフォワードということだ。
彼らは我々が持っているのと同様の特徴を持っている。
君がこれに似た何かを目撃したというなら、私も同様のものを見るんだろう。
ロビン・コッホはいつ練習に復帰できるでしょうか?
3月の1週目には戻ってくると考えている。
彼のリハビリがどの程度なのか教えていただけますか?重傷なだけに予定より早いのでしょうか?
彼の回復は期待通りだ。コッホは非常に前向きで、楽しく、勤勉で自分の取るべき責任に向けて真剣に取り組む選手だ。怪我をする以前と同じような力強さとパフォーマンスで戻ってくるだろう。
カルヴィン・フィリップスについてはどうでしょうか?彼の怪我を未だ引きずっているように見えるので。以前アーセナル戦以前に彼には復帰の機会があるとおっしゃっていて、彼も出場に近づいていたようですが、そこから3~4試合を経ています。思った以上に深刻なのですか?
よく使う言い回しがある。選手は進化の対象として戻ってくる、という言い回しだ。私が言ったように、彼が怪我をした際にはよく早く戻ってくるという選択肢はあったが、彼の怪我はふくらはぎの怪我だ。
再発は状況を悪化させるだけなので、再発を避けなければならない状況だ。なので我々は彼の復帰については非常に注意深くなっているが、彼は確実に戻ってくると思っている。
ニューカッスル戦後、その日に新たな怪我をしたディエゴ・ジョレンテの精神的な影響についてお話しされました。サウサンプトンとの試合を通して、彼にとってはその状況を乗り越えることはどれほど重要だったとお考えですか?
怪我をし、その怪我を繰り返した選手にとって90分を終えることは非常に重要なことだ。
先日のサウサンプトン戦での勝利によって、リーズはアストンヴィラ同様にトップ10に入りました。プレミアリーグのトップ10に留まる、ということが今の課題でしょうか?
目標は次の試合を乗り越えることだ。次の試合を乗り越えるために、通常はその位置を維持するのか、より良くなるのかを考える。無論我々は勝ちに値するようにプレーしていきたい。肯定的な血が与えられたときに、それが順位にどう影響するのかを考えたい。
Marcelo Bielsa Post Match Press Conference – Leeds United vs Southampton
3ゴールは両者のパフォーマンス以上の差
連敗を2で止めて、再びトップハーフの順位に上昇したリーズ。
怪我からの完全復活となったジョレンテ、大活躍が続くラフィーニャ、そして亡くなられたフィリップスの祖母ヴァルさんについて語ったビエルサの試合後記者会見です。
(Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)
非常にタイトな前半でしたが、そのゲームを特に後半上手く運べた要因はなんですか?
後半はあっという間に得点することができて試合を始められた。3ゴールは両者のパフォーマンス以上の差になった。我々は我々がしたように、サウサンプトンが一瞬でも試合を支配しないように尽力しなくてはならなかった。例え我々の攻撃が相手の倍のチャンスを演出したようにうまく行ったとしても、試合自体はいつでも(状況が)変わるものなのだから。
今夜は非常に重要なクリーンシートでしたが、ディエゴ・ジョレンテの影響力はどの程度ありましたか?
我々は組織だった守備を行う。我々の攻撃陣は多くの仕事をこなすので、ディフェンダーがボールを回収するのを容易にしてくれる。ジョレンテはその一員であることを証明した。
今回のような試合では相手チームは異なるタイプのフォワードを使い、その多くは質の高い選手であり、彼の貢献というのは非常に有効だった。
ラフィーニャについて多くの事柄が言われていますが、上手い選手に対してあなたは何を教えるのでしょうか?彼に何か教えるべきことはありますか?
彼はアンバランスな選手と言えるだろう。非常に野心的で、とても競争力がある。一般的ではない複雑さを持っているのだが、彼は高いレベルで創造性があると同時にバランスを崩しかねない。私が彼にできること、というのは非常に少ないと思っている。自発的な選手に対して最善を尽くせるとしたならば、彼ららしくさせてあげる、ということだろう。
スチュアート・ダラスがカルヴィン・フィリップスの祖母への手向けとしてジャージを掲げましたが、その損失はチームにとってどの程度ショックなことでしか?
我々にとって、フィリップスは愛すべき選手だ。彼はリーズ・ユナイテッドの象徴だ。我々が昇格してから、カルヴィンのおばあちゃんの姿は公のものになったし、我々全員も彼女のことを気にかけるようになった。
あなたがいうように、カルヴィンにとっては愛する多くの理由をもった女性だった。彼女は、彼女のことを知らない人にとっても非常にカリスマ的で魅力的な人だった。
彼女が我々と一緒に居られないということは残念でならない。そしてもちろん、カルヴィンと彼のご家族にとってどれだけの損失を意味するのか、ということはもちろんのことだ。
ラフィーニャが非常に早く適応したことをお話になりました。能力のある選手が、性格や人格かつ謙虚にグループに溶け込むことはどれほど重要なことでしょうか?
リーズにいるグループは、人間性においては、本当に最高の経験(を提供してくれる人たち)だ。(リーズに)到着した全ての人は保護され、歓迎される。コーチング・スタッフも同様に扱われるし、我々も到着した時には同じように受け入れられ、歓迎された。選手自身の経歴とラフィーニャの人間的な側面から考えても、全ての事柄うまく溶け合ったと言える。
Match Review 2021.2.24 Leeds United vs Southampton
二度見て気付く絶妙な差配
いつもはリアルタイムでも後追いでも試合を1回観て自分なりの考えを構成するのだけど、この試合だけはたまたまリアルタイムで観ることとなり、眠気と戦いながらだったので珍しく2度観た。
ライブ視聴の時に
「前半はサウサンプトンペースでした。」
「前半のサウサンプトンペースの時に特典できなかったのが・・・」
中継の日本語コメンタリーで再三聞かれたのだけど、リーズ視点で観ていたのは確かだけど、本当にそうなのか?そんな違和感を覚えた。
2度目の試聴のときにその違和感の答えを探してみたところ、なるほどポゼッションもサウサンプトンだし、試合もリーズサイドで行われているから確かにサウサンプトンペースだし、リーズの攻撃は単調に見えたからサウサンプトンペースなんだろう、と合点がいった。
しかしながら、リーズの攻撃、時には守備においての絶妙な差配が行われいたことは初見では気づかなかった。
4-1-4-1なのか、3-5-1-1とかそういう数字の話ではなく、左右の入れ替えという単純な差配が後半開始早々のリーズ先制点の絶妙な撒き餌になっている、僕はそう感じたので、今回はリーズのポイントから。
また、冒頭に亡くなられたフィリップスの祖母ヴァルさんの名前が入ったユニフォームを試合後リーズメンバーで掲げ、ビエルサも記者会見で言及した。
チームからもファンからも愛されたおばあちゃんに改めて哀悼の意を表します。
香車と成金で撒き餌
試合立ち上がり、リーズは通常の右ラフィーニャ、左ハリソンという攻撃MFを逆に配した。
通常は左利きのラフィーニャ、右利きのハリソンがピッチ中央に切れ込んでいくことでサイドバックが上がるスペースを作り、それによって相手DFとGKの間にアーリークロスを入れていくのがリーズの定番となっていた。
この試合において両選手は、両者の利き足と同じサイドに配されることで、リーズのサイド攻撃は縦に縦に、となっていた。
無論これは前節で優れたスピードを見せたサウサンプトンのテラをケアするために長い距離をスプリン出来るハリソンを右に配して対応させたい、という意図もあったのだろう。
ただ、攻撃の際には、中盤深い位置から左右を操るパスを支えるフィリップスがいないため、この配置だとどうしてもDFラインから長いボールを蹴り込んでサイドを上がらせる、またはサイドバックから縦につけてサイドバックが追い越す時間を作って攻撃、と相手DFからすると守り易い状況での攻撃しかできない。
アクセントをつけるためいロバーツが下がってボールをもらってドリブルや左右に散らしてもう一度ボールをもらうというきっかけを作ろうとしていたが、これも決定的な状況を作るには至らなかった。
しかし、試合を振り返ってみると、巧妙な撒き餌が展開されていたとしか思えない。
右サイドはハリソンも右サイドバックのエイリングも縦に縦にの動きになり、さしづめ将棋で言えば香車を縦に2枚並べたような、上下の機動力を重視した攻撃しかできず、単調にならざるを得なかった。
これが撒き餌1。
その配置を前半途中に通常通り右ラフィーニャ、左ハリソンにポジションチェンジ。
このポジションチェンジからロメウの攻守に阻まれる決定機が生まれた。
ポジションチェンジが撒き餌2。
どういうことか。
撒き餌1では香車の2枚の動きによりサウサンプトンはサイドMF、サイドバックの同数に数的優位を加えるためにロメウとウォードプラウズのサウサンプトン中盤1枚を応援に出させる。
これでサイドの守備面は3-2でサウサンプトンの優位。
この撒き餌1でサウサンプトン中盤をサイドに誘き出すことに成功する。
撒き餌2ではラフィーニャをハリソンの立ち位置を変えることで、撒き餌1によって誘き出されたセンターハーフが開けたスペースにカットインができる。
その分センターバックが前に出ざるを得ないため、最終ラインからセンターバックを誘い出せる。
気付かずに香車は金に成っていて斜めにも動き出し敵陣に入り込でいた。
後半開始。
リーズウィングの位置は元に戻したうえに、右サイドのハリソンに代えてより香車感の強いコスタを投入。
この後半開始の策によって、サウサンプトン守備陣はそれぞれのマーキングの確認と対応を再度認識合わせすることを強いられた。
自身のチャンスから展開されたボールをリーズGKメリエが手にしたトランジション時に、サウサンプトンはこの認識合わせを十分にできずにぶっつけ本番するより仕方がなくなった。
サウサンプトの両ワイドは対抗となるリーズワイドを探す、センターハーフもバランスを確認、センターバックはセンターハーフがボール奪取に向かう際にできるスペースのカバーに。
それぞれが撒き餌によって刷り込まれた試合への対応に切り替わっていたはずだ。
その状況でボールはピッチ中央のロバーツへ。
サウサンプトン中盤がロバーツへターゲット変更することで、MFとDFの間の距離が一瞬離れる。
そこをケアすべくセンターバックが前に出た瞬間にロバーツがパスを出した。
バンフォードまでの距離を補うには弱いボールでのパスだったが、一瞬前に出かかったサウサンプトンDFを背走させるには十分な強さ。
足元に入れたバンフォードが落ち着いてゴール右隅にボールを蹴り込んだ。
長短のパスを折り混みながら香車を動かしたり、成金を動かすことで、サウサンプトン守備陣の潜在意識に迷いが生じていた。
そこをうまく一撃で突いた先制点。
見直してこの将棋のような緻密さを感じたのが、僕にとっての大きなハイライトだった。
この先制点の後は左右を入れ替えたり、サイドバックが偽ラテラルのように中盤に顔を出したりとリーズは可変を繰り返す。
先制点までで巧妙に仕掛けられた罠は時間が経てば経つほどサウサンプトンを蝕んでいた。
違和感の大きな理由はこれだったんだろう。
1枚、1手足りない
戦前予想でリーズの中盤が1枚浮く、と予想したが、割とのそのような展開になりロバーツはそこそこ自由にポジションを変えてプレーしていた。
この1枚浮く、または浮かせてしまうというのが攻守においてもサウサンプトンの課題だと感じた。
ウォード=プラウズの正確なキックと気の利いたスペースマネージメント、闘犬のようなロメウのボールハンティング、どちらも非常にレベルの高い中盤の選手ではあるが、攻撃においても中のポジションはこの二人で構成されており、DRラインを前にしたときにどうしても1枚足りなかったり、もう1手加えられれば決定機になったのでは、というシーンが多かった。
逆を言えばリーズファンにとっては冷や汗というシーンは数えるしかなかったということだ。
ハーゼンヒュットル監督の意図としては、強固な中盤2枚を中心に高い位置でボールを奪い、サイドの選手も中に入ってゴール前に迫ることが目的なのだろうが、ゴール前でDFラインを形成されるとどうしてもサイドにサイドに、とボールを動かさざるを得なくなる。
そこからサイドを深く抉っても、結果中の枚数が足りない上にブロックを作られてしまっているのでペナルティ外の選手にマイナスのパスを出さざるを得ない。
ポゼッションが高くてもブロックを作られるとどうしてもこういう動きになりがちになる。
その上先制されてリードされているから、後ろからも押し上げが強くなりスペースができやすく一発で裏を取られる。
時間が経つにつれてサウサンプトンはドツボにハマって行ったように思う。
そういった意味では、ボールとは逆サイドのウイングがしっかりトップ下の位置まで入り込んでくることがサウサンプトンには必要だろう。
後半投入された南野に託された役割はそうであるべき、と思っていたが、彼のプレーを見るにどうもそのタスクを任されていた感じはなかった。
怪我人も続出でなかなかそうは問屋が卸してくれないという側面もあるだろうが、この1枚がないともう1手が出せない。
ハーゼンヒュットルとセインツサポーターの苦悩は暫し続くだろう。
余録 ゲーゲン、ゲーゲンうるさいです
ハーゼンヒュットルに関わらず、ドイツサッカーに関しては採用戦術はゲーゲンプレスと言われて久しくなった。
果たしてそうなのだろうか。ゲーゲンプレスって戦術なんだろうか?
ゲーゲンプレスをしたところで、結局前項で示したようにサイドに押し出されて中でシュートが打てないのであれば、それは戦術ではない。
「ゲーゲンプレスから高い位置でボールを奪い、そこから2列目、逆サイドまでがペナルティに入りゴールを奪う戦術」
として戦術を構成しないと意味がない。
つまり、ゲーゲンプレスとは戦術の構成要素の一つであって、戦術そのものではない。
これはカウンターサッカーもそうだし、結局のところそのチームを分かりやすく類型化するために代表的な戦術構成要素を用いているに過ぎないので、ゲーゲンプレス、ゲーゲンプレス、げーげんぷれす、ゲーが出ますとやかましい。
ビエルサのサッカーが面白いのは、マンツーマンという代表的なキーワードが出るが、その実マークの受け渡しはするし、必要以上にゾーンを放棄してまでついていかない。
ゾーンとマンマークを高い次元で融合し、カウンターもあればポゼッションもある。
簡単に類型化できず、とにかく選手の運動量が多いサッカーなので「Murder Ball」と言われる。
むしろこのMurder Ballがビエルサの戦術であって、マンマークではない。
構成要素に囚われて、その監督を評価するのは本質からかけ離れたことでしかないと思う。
この辺は別項でくどくど言ってみたい。
3
0
得点
バンフォード(47′)
ダラス(78′)
ラフィーニャ(84′)
得点
In/Out | Pos. | Leeds | Southampton | Pos. | In/Out | |
---|---|---|---|---|---|---|
GK | イラン・メリエ | アレックス・マッカーシー | GK | |||
CB | パスカル・ストライク | ライアン・バートランド | LB | |||
CB | リアム・クーパー | モハメド・サリス | CB | |||
CB | ディエゴ・ジョレンテ | ヤニク・ヴェステルゴー | CB | |||
LM | スチュアート・ダラス | ヤン・ベドナレク | RB | |||
Out(59') | CM | マテウシュ・クリヒ | ネイサン・テラ | LM | Ount(58') | |
RM | ルーク・エイリング | オリオル・ロメウ | CM | Out(70') | ||
Out(46') | LAM | ジャック・ハリソン | ジェームズ・ウォード=プラウズ | CM | ||
Out(75') | CAM | タイラー・ロバーツ | スチュアート・アームストロング | RM | ||
RAM | ラフィーニャ | ネイサン・レドモンド | FW | Out(58') | ||
CF | パトリック・バンフォード | チェ・アダムス | FW | |||
Sub | Sub | |||||
GK | キコ・カシージャ | フレイザー・フォスター | GK | |||
DF | オリバー・ケイシー | ジャック・スティーブンス | DF | |||
DF | ニール・ハギンズ | ケイン・ラムゼイ | DF | |||
In(59') | DF | エズジャン・アリオスキー | ムサ・ジェネポ | MF | In(70') | |
DF | チャーリー・クレスウェル | アレクサンドラ・ヤンケヴィッツ | MF | |||
MF | ジャック・ジェンキンス | クガオゲロ・チャウケ | MF | |||
In(46') | MF | エウデル・コスタ | ダニー・イングス | FW | In(58') | |
In(75') | MF | パブロ・エルナンデス | 南野 拓実 | FW | In(58') | |
FW | ジョー・ゲルハート | ダニエル・ヌルンドゥル | FW |
Match Prediction / Premier League Leeds United vs Southampton
Footballic Match Preview
Premier League リーズユナイテッド vs サウサンプトン
リーズ贔屓の当サイトが、なるべく平たく試合を予想していきます。
データ、ここ最近の両チームの調子などを見ながら、当日の予想を展開します。
振り返り
前回の両者対戦は2012年10月まで遡らねばならないため、今回の対戦に参考になる直近の対戦はなし。
過去2回と同様に当たらない予想を今シーズンのデータをベースに展開していきます。
ちなみにこの試合はDAZNで中継されますが、リーズにとっては珍しく日本語コメンタリが付くでしょう。
大方の注目ポイントは前節チェルシーから得点を奪ったサウサンプトンの南野選手が、「16年ぶりに昇格したビエルサの」リーズから得点するか、でしょう。
「16年ぶりに昇格したビエルサの」という枕詞はもういいよ、とファンながら思いながらもこれが事実ですから仕方がないですね(笑)。
恐らくいつもの試合よりも多くの方が視聴したり目にする試合になるので、「ビエルサのリーズが面白い」ともっと多くの方が認識してくれるような試合を期待しています。
予想
直近のリーグ戦5試合を比較してみると、
・サウサンプトン:LLLLD
・リーズ:WLWLL
リーグ戦7連敗の後に(監督交代でチームを立て直そうとしてはいるが)強豪チェルシーに対して引き分けたサウサンプトン。
一方で強豪アーセナルに4失点、トップハーフ(順位表10以上)を争うライバルウルブズに惜敗のリーズ。
チームの波はどちらかと言えばサウサンプトンの方が優位かもしれない。
加えて言えば、サウサンプトンは南野が加入後3試合で2得点。殊更チェルシー相手の得点はチームメイトの信頼を勝ち得るには十分だっただろう。
Home/Aeayでのデータ比較を見ると、Homeリーズのホーム勝率は36%(平均勝点1.27)、サウサンプトンのAway勝率は27%(平均勝点1.17)とリーズが優勢。
得点と失点を比較すると、ホームでのリーズの平均得点1.45/平均得点1.45であるのに対し、サウサンプトンのアウェイでの平均得点1.27/失点2.18となっている。
これだけのデータで見るとどっちもどっち。もう少し深くデータを見てみよう。
今季のリーズがクリーンシート(無失点)率は27%。一方のサウサンプトンは18%。
すなはち、どちらのチームも失点する可能性のが極めて高い。
じゃあ相互に得点するとして、何点ずつ取れそうか。何点失点しそうか・・・。
お互いのHomeとAwayでの得点可能性は以下の通り。
表の見方としては0.5点以上の得点を得る可能性、1.5点以上〜、見て欲しい。
*データはhttps://footystats.org/england/leeds-united-fc-vs-southampton-fc-h2h-statsより。
どちらも1点以上取れそうな気がしない・・・。
では同様に失点の側面はどうだろうか。
どちらも1失点する可能性は極めて高い。
また2失点する可能性も同じ。
ただデータ的にみると2.5失点以上=3点失点する可能性はサウサンプトンが倍のポイントになっている。
とデータから見る限りの競馬的予想は以下(当たらないので競馬的に予想・・・)
本命 : ◎ 1-1 リーズ勝利
対抗 : ○2-1 リーズ勝利
穴 : ▲3-2 リーズ勝利
結局リーズ勝利しか予想しないわけですが。
双方怪我人が多いチーム事情だが、どちらかと言えばサウサンプトンの方が怪我人も多く苦しい状況。
サウサンプトンは主力級を5人(ウォーカー=ピータース、ディアロ、ウォルコット、スモールボーン)。更には右MFのアームストロングも怪我の影響で微妙な模様。
ただ、ハーゼンヒュットル監督はアームストロングはエランド・ロードに行けると見込んでいるらしい。
一方のリーズは前節から引き続き、フィリップス、コッホ、ロドリゴの3人。
これら怪我人の穴埋めをするという意味ではサウサンプトンは攻撃面で鍵となるウォルコット、オバフェミの穴をなんとか南野で埋めて体裁を整えた状況だが、その南野が好調なので恐らくこの試合でも得点をする可能性があるだろう。
これらを踏まえてマッチアップを考えると、この試合の観戦ポイントがかなり面白く思えてくる。
観戦ポイント
恐らくお互いが取るフォーメーションはリーズはいつも通りの4-1-4-1。
サウサンプトンは4-4-2。
そう考えると大事になるのはまず中盤。
リーズ目線で見ると、前節でアンカーポジションで評価を高めたシャケルトンがサウサンプトンの中盤を仕切るウォードプラウズの面倒を見ることになるだろう。
残る中盤のキーマンロメウは守備的強度が売りのタイプなので、クリヒとの激しい戦いが見られるだろう。
ここから中盤は前節ウルヴズ戦と同様に激しい中盤の奪い合いになるだろうが、そこで双方にとって鍵になるのがローバーツ。
恐らくロバーツは前節同様にスタメンに名を連ねると予想しているが、サウサンプトンの中盤2枚が上記の通りシャクルトン、クリヒとのマッチアップを強いられると考えると、リーズの中盤に1枚余る選手が出てきそうだ。
それがタイラー・ロバーツ。恐らく今節もスタメンに名を連ねると思う。
リーズは1トップにバンフォードを配置するが、サウサンプトンのCBは2人でバンフォードを気にかけるはず。サイドは双方基本的に1対1を中心軸に展開されると考えるとやはり中盤のロバーツ(が出場したとして)がフワッと浮くことになる。
このロバーツ、または彼の代わりに入る選手がどう動くのかがポイントになる。
サウサンプトンからすれば、この「なんとなく数勘定に合わない選手」を出さないようにするかが重要で、そのためにはイングスとレドモンドのFW二人のいずれかがしっかりと下がってアンカー・シャケルトンとのマッチアップを担当できるかが重要になりそう。
策士ハーゼンヒュットルだけにその辺りの対応は十分だろう。
2点目には、南野のマークにつくであろうエイリングは運動量もスタミナも十分。南野はこのマーキングを振り切流には、エイリングとシャクルトンの間にできるギャップをしっかり突いてセンターバックを引き出せるかもポイント。
マンマーキングでしつこく追い回すリーズのDFを考えると、南野は縦方向ではなくてカットインするダイアゴナルな動きをどれだけ繰り返して、そこにボールが出てくるかが鍵になるのではないか。
南野がリーズの代名詞にもなりつつあるマンマーキングにどう対処するのか。
非常に楽しみですし、もし南野が得点を決めればそれに対して嫌味を言ったり、悔しがることもないのは確かでしょう。
なので南野には1点決めてもらう前提で考えた予想でした。
Transfer Later Talk – Michael Cuisance
移籍にまつわるエトセトラ
サポートするチーム、選手の移籍というのはファンにとっても大きな関心事だ。
それによって泣くこともあれば喜ぶこともある。
そしてその移籍を振り返ったときに悔やむこともあれば胸を撫で下ろしながら(獲得できなくて)良かったと思うこともある。
移籍とは不思議なもの。移籍に関して思う色々なことを後日談として語ってみようと思います。
順調なキャリアップを重ねたフランスの神童
今回は現在バイエルン・ミュンヘン(以下バイエルン)からフランスのオリンピック・マルセイユ(以下マルセイユ)に期限付き移籍しているミケール・キュイザンについて。
キュイザンスは1999年8月16日にストラスブールで生を受けた左利きの選手。
ストラスブールユースでその才能を開花させると、2015年にナンシーのU17へ移籍し順調にU19までのステップを駆け上がり、年代別代表の中心選手となった。
2017年にナンシーからドイツのメンヘングラードバッハに移籍するとその才能は一気に花開き、2017/2018シーズンはリーグ戦24試合、2018/2019シーズンはリーグ戦11試合に出場し合計3アシストを記録した。
この活躍に目をつけたバイエルンが2019年シーズンに獲得、勝利が決定付いた後に投入される”育成投入”で10試合に出場し、最終節のヴォルフスブルグ戦でフル出場すると1得点1アシストを記録し、フランスのみならずバイエルンの今後を背負う有望選手として名を上げた。
バイエルンファンはチームを去ったチアゴの後継者と胸を踊らせた。
バイエルンでの1年間を経て、フランスの神童のキャリアアップは極めて順調だった。
転換点となったメディカル・チェック
順調に進んできたキュイザンスの次なる目標は定常的に試合に出続け、さらに自身の力を伸ばすことに置かれることとなる。
2020/2021シーズン前の移籍市場、その若き欧州のホープに白羽の矢を立てたのがリーズ・ユナイテッドだった。
買い戻し権利付与の移籍金24億という、21歳の選手にとっては多額の移籍金だったが、欧州のホープを獲得できるとなれば、リーズにとってはこの移籍金は予算内であったし、後々に移籍することになれば安い投資にもなり得たものだっただろう。
リーズファンである僕自身も中盤の補強が必要と感じていたリーズの中盤に、今後の成長が大いに期待できる選手の加入は万々歳であったし、それがフランスの神童であるとなれば尚更だった。
当時の現地リーズファンもこの補強を楽しみにしていたようだ。
しかし、加入も決定的と思われた2020年10月1日、リーズは「メディカル・チェックによりキュイザンスに怪我が発覚した。」と発表。移籍はご破算となり、キュイザンスはその日のうちにソープ・アーチ(リーズの練習場)から踵を返さざるを得なかった。
その翌週10月7日、バイエルンとマルセイユからキュイザンスが期限付き移籍でマルセイユに加入することが発表された。
その記者会見でキュイザンスは
メディカル的には何の問題もないし、マルセイユとの間では全てがうまくいった。僕はプレーする準備ができている。リーズでは僕の立場からは何の問題もなかったんだ。
今となってはリーズがメディカル・チェックで何を見つけたのか、は分からないし、キュイザンスがマルセイユでプレーしていることを考えると、その「見つけた怪我」というのがプレーに支障をきたすものであったのかも分からない。
ただ推測するのであれば、本サイトのStaffの項でも触れているように、リーズのコーチ陣はプロ選手経験こそ持たぬものの、臨床医学や運動生理学を本格的に学んだコーチであり、そのコーチやフィジオの判断として、「地獄のトレーニング」と称されるビエルサのトレーニングを乗り越えられないと判断したのかもしれない。
本当の背景事情ばかりは今後も明らかにされることはないだろうが、このメディカル・チェックを起因としたマルセイユ行きがキュイザンスにとって重いものになってしまっているのは残念だが事実だ。
負のスパイラルの始まり
マルセイユにおいてキュイザンスの獲得を要望したのは前監督のアンドレ・ヴィラス・ボアス(以下AVB)と言われている。
事実AVBはキュイザンスの加入後3試合目となる第10節ストラスブール戦の後に以下のように語ったとSport1で述べられている。
私はキュイザンスに関しては非常に幸せに思っているし、彼は今後もストラスブール戦のようにプレイするだろうし、期限付き移籍終了時には買取オプションを行使できれば良いと思っている。
この時点ではキュイザンスがマルセイユで更に高みへ達することが期待されていた。
しかしこのコメントから僅か1ヶ月程度で状況は大きく変わることとなってしまった。
チャンピオンズリーグでは僅か1勝で早々にグループリーグ敗退となり、更にはリーグ戦でも12月以降1月末まで9戦3勝2分4敗。首位リヨンとの勝点差は14(消化試合数は2試合少なかった)と、チームの状況は散々な状況に陥った。
一方でキュイザンスに目を移すと、加入後初先発した10月17日ボルドー戦から12月12日のボルドー戦まで、自身が出場したリーグ戦6試合は勝利(1アシスト)していたのだから、本人からすればチームの状況が下降気味であっても自身の在り方についてはそれなりの自身はあったのではないかと推測できる。
しかしながらチームの状況にサポーターの怒りが爆発。
2021年1月30日に過激派サポーター(ウルトラス)がマルセイユの練習場に乱入。発煙筒や爆竹の投げ込みに加え、車両破壊や窃盗を行うという事件が起きた。
(*僕としてはこの行為には思う部分が多々あるので、それは別の機会に述べたいと思います。)
そしてこの事態から3日後の2月2日、キュイザンスの後ろ盾でもあったAVBが突然の辞任宣言。
経営陣との補強施策の相違が原因とされ、同日中にフロント陣がAVBの指揮権を剥奪するというお家騒動にも飛び火。
長友、酒井が所属し日本からも注目を浴びるマルセイユが置かれた事情は、完全に負のスパイラルに陥ることとなる。
スケープ・ゴート
AVB退任後、チームはコーチであるナセル・ラルゲとフィリップ・アンジアニが共同で暫定指揮をとっている。
それでもチーム状況が好転することはなく、2月3日以降の3試合は2分1敗。
マルセイユにとっては格下と評するランス、ボルドーに引き分けた上に、ライバルと目するパリ・サンジェルマンにホームで0-2と惨敗したのだからもはや目も当てられない。
このような状況ではサポーターの苛立ちを抑えることは出来ないのはフロントもチームも明らかだ。
チームの不調をどう説明し、少しでもサポーターの温度感を下げるのか。
もはやチームの惨状から逃げるように退任をしていったAVBに責任を負わせるしかないが、AVBはもはやはるか彼方。
そのAVBがフロントと衝突したのが補強選手についてならば、逆手を取ってAVBが希望した選手を貶めるしかない。
未ケール・キュイザンスがスケープゴートになった。
加入後1アシストに留まる若きフランスの神童は一転袋叩きに合うこととなる。
2021年2月14日のボルドー戦をスコアレスドローで引き分けた2日後の16日、ナセル・ラルゲがキュイザンスについて以下のようにコメントしたと報じられた。
力強さも技術力もある。だが質というものはチームに取って有効なものであるべきだ。もしも彼がそれができるのであれば、彼はチームとって欠かせない存在になるだろう。例えて言うなれば、(左サイドバックの)アマヴィのように彼が勇敢であったならば。
攻撃的な中盤の役割を担うべき選手が、サイドバックの選手と比較され、更にはそれを公言されてしまうこと自体がナンセンスなことは常識的なサッカーファンであれば即座に理解してもらえると思う。
だが、チームを率いるコーチにさえここまで言わせてしまうチーム状況であるということも透けて見える。
ちなみにこの試合を63’で退いたキュイザンスに関して、フランスのL’equipe紙では10点満点中の2点がつけられたという。
キュイザンスはただ単なるバイエルンからやってきた将来有望株ではない。
フランスの期待を一身に受ける”フランスの神童”だ。
だからこそ、サポーターからもメディアからも厳しい目で晒されることは本人も承知の上であろう。だからこそ期待されたパフォーマンスを出せず、チームも下降線を辿っているからと言って、それを若い選手の双肩に担がせることは果たして正しい判断なのだろうか。
そんなことを僕が言ってもキュイザンスの立場が厳しくなっていることには変わりがない。
希望
一方で先に引用したラルゲのコメントを報じた90minuitesは記事をこう結んでいる。
そのミッドフィルダーはマルセイユのジャージを着たリーグアンの6試合で6つの勝利となっている。 それ以来、彼はスタメンから外れている。そしてマルセイユが出した結果はことさら悪くなっている。
単純に考えるなら、キュイザンスをキックオフ時点でいない場合、今シーズンの一試合勝点は0.3ポイントしか向上していない。キュイザンスがいた場合、1試合平均は2.2ポイントだ。
これは偶然なのだろうか?
厳しい状況は踏まえながらも、結果とデータが語る部分も多い。それを当該記事はきっちりと伝えている。
移籍という事象は僕らファンを一喜一憂させるし、その後は結果を求めてしまうのも事実である。
安くはない移籍金を掛けて我らがチームが獲得した選手なのだから、活躍してくれなければ批判の目はそこに向く、というのもサポーター目線では当然なのかもしれない。
ただ、間違いなく言えることチームというのは生き物であり、好調も不調も波があって然るべきだ。移籍というのは、その生物を構成する骨なり筋肉に変更を与えることであり、それを断行するのであればその要素がプラスにもマイナスにもなり得る。
冷静に考えれば誰でも理解できるであろうことさえも忘れさせ、誰かのせいにさせてしまう。
これもまたフットボール中毒の悪しきポイントなのかもしれない。
ただ、そんな中毒の中でもしっかりと事実と状況を見極め、若い選手の背中を押すような環境があっても良いのではないか。
キュイザンスという、僕にとっては不運にもリーズを通り過ぎていった選手をいつまでも忘れられないおっさんも気持ち悪い話であるが、そうやって移籍市場を見ていくのもまた一つの楽しみ方であり、深く底のないFootballic沼の楽しみ方なのではないか。
期待する選手の先に希望を見出せる限り、その選手を追いかけることで幅広くフットボールを知り、そしてまた別の悩みや喜び、希望を抱える日々こそが僕らの楽しみなのだろう。
長々とこの投稿を書き連ねながら横目で眺めていたDazn。
中継されていたナントvsマルセイユは1-1のドローに終わった。
マルセイユの負のスパイラルの終わりは見えないようだ。
キュイザンスはベンチに座ったままだった。
Marcelo Bielsa Post Match Press Conference -Wolverhampton vs Leeds United
運が結果における要素にならないようにそれを乗り越えるべき策がある
前節アーセナル戦とは全く違う形での敗戦となり連敗を喫したリーズ・ユナイテッド。
ファンとしては”不運”という言葉で片付けたくなるような失点について、マルセロ・ビエルサはその学者然とした回答で一刀両断にした。
(Leeds Liveのプレスカンファレンス記事を拙訳)
引き分けにできなかったということからも、どれだけ不運だったと感じていますか?
もしもあなたが試合を振り返ったなら、我々が(試合の)大半を支配していた(とわかるだろう)。非常に僅かな時間だけ我々が試合を支配できなかった。
チャンスのシーンを見てみれば、我々は彼らが作った2倍のチャンスを作った。我々はよく守ったし、よく攻めた、つまりはこれが私が今している(今日の)試合の分析だ。
分析についてはよくわかりました。しかし、今日はあなた方(リーズ)の日ではなかったし、神が味方してくれなかったと感じるところもあって然るべきだったのではないですか?そう感じませんか?
我々は結果と運を紐付けないようにしている。私には運が結果における要素にならないようにそれを乗り越えるべき策がある。しかしはっきりしているのは、今日の結果は効率性によるものであると定義されるべきということだ。
もしも君が運と君が身を捧げたことをついて語るとするならば、時にはそれは一般的には受け入れられないこともある。
今夜のジェイミー・シャクルトンについて。彼が守備陣の前でプレーしたことについてどのように感じていますか?
彼は守備的ミッドフィルダーのように守った。しかし彼はナンバーエイト(攻撃的ミッドフィルダー)のように攻撃もした。彼とクリヒの間で、二人は守備的ミッドフィルダーとナンバーエイトの役割を分担していた。
(相手の)二人の守備的ミッドフィルダーとストライカーの間(のポジション)においては、攻撃的なミッドフィルダーという(役割は)ない(に等しい)。これは彼らにとってこなすには厳しい要求ではなかったということだ。
あなたはリアム・クーパーがプレミア・リーグに適応していることを評価していますか?
私の視点からすると、(彼には)不便はない。彼は非常に上手く守れる選手だ。彼は上手く対処しているし、彼は自分の背後もしっかりと守っている。
彼は空中戦でも輝いているし、ボールに対しても非常に良く(守備)できている。これらの面をほとんどのゲームで定常的に表現していると言える。
負けた試合にも関わらず、今夜のアウェイでの試合はかなりポジティブに感じるものでしたか?
君の言ったことに賛成だな。